ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

暗躍者+夜警、暗躍者+取り替え子+夜警

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以前にも、第2ターンの夜警(3)購入については書きました。

第2ターンに買うNight Watchmanについて - ドミニオンの日々(はてなブログ)

 

では、もし初手が4-3で、暗躍者(4)を先に買ってから夜警を買うとどうなるか。金貨を含めて7枚をシャッフルし、5枚を見て、そこに金貨がなければ2枚捨てることで、第3ターンに暗躍者を打ちつつ確実に5金以上を出すことも、あるいは暗躍者を打つことを諦めれば確実に6金を出すことも可能です*1

さて、さらにサプライに取り替え子(3)があったなら。初手で暗躍者を買い、金貨を獲得しつつ暗躍者自身は取り替え子と交換して、買った夜警を即打ちしたらどうなるか。かなりの高確率で、6金出しつつ取り替え子をプレイして金貨を獲得することができるのです。つまり3ターン終了時でデッキに金貨が3枚も。

以下、夜警で見た5枚と、その確率と、捨てるべきカードの一覧です。


銅銅屋金取 6/21 銅屋
銅銅銅屋金 4/21 銅屋
銅銅銅屋取 4/21 銅屋
銅銅銅金取 4/21 (なし)
銅銅銅銅屋 1/21 銅屋
銅銅銅銅金 1/21 銅 or 銅銅
銅銅銅銅取 1/21 銅 or 銅銅


この7通りのうち、上から5つは手札を「銅銅銅金取」にすることが可能ですが、下2つの場合は確実ではありません。銅貨1枚捨てて屋敷を引かなければ、つまり1/2の確率で成功しますが、2枚捨てれば「銅銅屋金取」にはなり、5金を出して取り替え子を金貨にすることは可能です。
この下2つになった場合には銅貨1枚捨てるとすれば、確率20/21で金貨3枚、つまりデッキを銅7屋3金3夜1の14枚とすることに成功します。試しにここから単純なお金プレイで回してみると、属州4枚または属州3公領2を買うまでに、平均10.8Tと出ました(今日の一人回し)。さすがに早すぎですね。

*1:もちろん、先手番に先に暗躍者を打たれると「確実」ではなくなるわけですが

Sewers+焚火

http://wiki.dominionstrategy.com/images/thumb/8/84/Sewers.jpg/320px-Sewers.jpg

http://wiki.dominionstrategy.com/images/thumb/9/90/Bonfire.jpg/320px-Bonfire.jpg

 

 

Sewers

Projects コスト3

この効果以外でカードを廃棄する時、手札を1枚廃棄してよい。

焚火

イベント コスト3

あなたが場に出しているカードを、最大2枚まで廃棄する。

 
ProjectのSewers(3)について考えてみます。

1枚カードを廃棄するたびに手札をもう1枚廃棄できる、つまり廃棄するカードの量が倍になるわけですが、倍になって嬉しいときってどんなときでしょう。

礼拝堂(2)で一度に8枚廃棄可能になったと言ってもそれを生かす機会は多くないですし。執事(3)で4枚とか、再建(4)で屋敷2枚を銀貨2枚にしつつ銅貨2枚を廃棄するなどの、2枚を4枚にするのがちょうどいいところでしょうか。

 

さて、執事にしても再建にしても、いずれも手札を廃棄するものですが、それ以外の場所のカードを廃棄したときにもSewersは効いてきます。例えば場にあるカードを廃棄したときは。つまり焚火(3)では。

初手4-3でSewers-焚火と買い、その焚火で場の銅貨2枚を廃棄しつつ手札に残った屋敷2枚を廃棄するとどうなるか。まだカードは何も買っておらず、ただ銅貨2枚と屋敷2枚を廃棄しただけのデッキとなり、つまり銅銅銅銅銅屋の6枚だけが残っています。これ以降は以下の通りに。

 

3 銀貨購入 銀銅銅銅銅銅屋

4 焚火購入 銀銅銅

5 銀貨購入 銀銀銅銅

6 金貨購入 金銀銀銅銅

7 焚火購入 金銀銀

8 金貨購入 金金銀銀

 


とここまでほぼ確定行動となり、8ターン終了時点でデッキは金金銀銀の4枚に。第9・10ターンの属州購入は確定となり、第11ターンも金貨が沈まなければ(確率2/3)8金が出て、最速で12ターン属州4となります。

もちろんドローカードなどの、補助的なアクションカードを1枚入れるとより安定、あるいはもっと早めに属州を買えるようになることは言うまでもありません。


なお、デッキ内の金量が金金銀銀よりも1枚少ない金金銀の方が安定しますが、この形にするために第6ターンで銀貨も廃棄してしまうと総金量が5金となってしまうため次の金貨が買えず、かと言って第6ターン金貨購入→第7ターン焚火購入としようとすると、ここで銅貨が沈むと(確率1/3)もっと悪い形になってしまいます。2/3に賭けてこの方法を狙うのも一つの選択かと思いますが、どうなんでしょうか。

同点時の新ルールは何を生み出すか

以前も書いた通り、今年からドミニオン日本選手権のルールが一部変更され、同点時は手番が遅い方が上の順位と扱われるようになりました。

 

ゲーム終了時に同点のプレイヤーが存在した場合、より手番が後ろのプレイヤーを上位とします。

http://hobbyjapan.games/wp-content/uploads/2019/06/2019_Dominion_JP_National_Rules.pdf

 

これまで同点・同ターン数経過はドミニオンの本来のルール上「勝利を分かち合う」こととなり、2人が同点1位なら大会得点4.5ポイントなどとなったわけですが、もうこうした裁定はあり得ません。大会得点はみなちょうど整数でしかなく、また以前にも生じた「協議の上での引き分け」を危惧する必要もなくなりました。また準決勝での「同点2位問題」や、決勝戦での「すでに1勝しているプレイヤーの同点1位獲得はノーカン」問題もなくなったということで、良いことづくめなんじゃないでしょうか。今回だけでなく来年以降も、あるいは日本選手権だけでなく他の大会でも取り入れて欲しいルールだと思います。

 

 

 

さて、これによって戦略はどう変わるのでしょうか。

 

言うまでもなく、これまでのドミニオンは先手が大きく有利なゲームだと言われてきました。この新ルールによりいくらかは後手有利に傾いたものの、それでも自分の手番が1ターン少なく、目の前で最後の属州を買われて負けるようなら同じことです。あるいは得点だけでなく、単純に4番手はコンボパーツが確保できなくなる(村が足りない、など)とか、愚者の黄金(2)ルートに行く権利がないとか、などと言う被害もありますよね。
そもそも、このルールがどれだけ後手有利になるかについては、サプライによるところが大きいでしょう。みんな同じプレイをするようなゲームでは、単純な話全員が同じターン数で属州を3枚ずつ買ってゲームが終わるなら、順位は手番の逆順になるだけです。あるいは13金2buyや16金2buyを出せるゲームでは、残り属州6枚残してももう1周回る保証がなく、回ってきて16金2buy出せたとしても買うべき属州が2枚残っていないことも。


いずれにせよ、下位手番のプレイヤーはただ「自分のターンが回ってこない」という1点だけでも、やはり不利なままと言えるでしょう。では同じターン数が回ってくるのならどうでしょう。つまり時間切れ終了が濃厚なサプライなら。
大会のルール上、時間が切れたらその周回での4番手までプレイすることが許されます。それまでの間に属州や3山枯れが起こらなければ、とりあえず全員が同じターン数を消化した上で前述の同点ルールが適用されるため、そこそこ下位手番も悪くないと言えるでしょう。

 


ところで。この「同点は後手の勝ち」ルール、以前にここで提唱したことがありました。日本選手権の運営がここを読んでいるかどうかはわかりませんが、もしそうなら光栄です。

 

hirotashi-domi.hatenablog.com

 

そのキャントリップ、カードを殺してませんか

例えば大広間(3)のような、+1アクションと+1カードを持つカードをキャントリップと呼びます。

 


多くのキャントリップはこの「+1アクション・+1カード」だけでなく、もう一つ何かしら効果を持つものです。願いの井戸(3)や浮浪者(2)、パトリキ(2)は時として研究所(5)相当になり、商人(3)や金物商(4)は時として+1金が出ます。

 

そしてキャントリップは「打って何も得られなかったとしてもはじめからデッキにそのカードがなかったのと同じ手札になる」という考えから、それなら入れるだけ入れても損にならないはず、として余った2金で深い考えもなく真珠取りを(2)買ったりしてしまいがちなんですが、それが本当に正しいのか、キャントリップを入れるべきサプライはどんなものなのか、については以前にまとめました。

そのキャントリップ、本当に必要ですか - ドミニオンの日々(はてなブログ)

そのキャントリップ、本当は必要なんです - ドミニオンの日々(はてなブログ)

 

では、山札をめくるタイプのキャントリップはどうでしょうか。

以前から、カササギ(4)というカードはデッキに何枚くらい入れるのが正解なのか疑問でした。2人戦で1-9くらいに分かれたとき、9枚持ってる相手もそんなにそのカササギが活きてないように見えるのです。カササギカササギばかり当て、財宝カードに当たらないようになるので。銅貨を圧縮できないデッキであれば、なんとなくカササギは3枚くらいあるのが一番バランスがいいのかなーなんて思っています。

これと同じように、戦車競走(3)を山ほど入れると返って弱くなるんじゃないかとも。同じく戦車競走が戦車競走ばかりをめくり、銅貨と屋敷の廃棄が進んだ左隣に勝てなくなるような。カササギはまだ勝手に増えるわけですが、戦車競走は買うなら工房(3)系のカードで取るなりする手順を犠牲にしているため、多く入れすぎたことで返ってめくるカードの平均コストを下げることになってしまうのです。

ドミニオン日本選手権2019 レギュレーション発表

ホビージャパンゲームフェスティバル2019

http://hobbyjapan.games/gamefes2019/

 まだかなまだかなと待ち望んでいた予選レギュレーションがようやく発表に。大方の予想通り夜想曲を使用するということですが、今回から基本は第二版とはっきりと明示されるようになりましたね。

そして二日目の本戦ですが、大幅に「試験範囲」が狭まることに。やはりもう人数分の全拡張を揃えるのはしんどいんでしょうか。

 

さらに気になる記載が。

ゲーム終了時に同点のプレイヤーが存在した場合、より手番が後ろのプレイヤーを上位とします。

http://hobbyjapan.games/wp-content/uploads/2019/06/2019_Dominion_JP_National_Rules.pdf

 これまでは同点で消化ターン数が同じなら同順位としていたわけですが、ここに来て変更に。これで同点1位で4.5ポイントなんてことはなくなったわけです。以前よりも後ろの手番でもチャンスが生まれるようになったと言えるでしょう。

 

そして申し込みは明日(6/5)開始!ベルサール西新宿でお会いしましょう!

 

 

Star Chartとドローに対する新ルールについて

かつてこのブログにて、ドミニオンのドローに関するルールが変更となった件について書きました。

2nd Editionからシャッフルタイミングが変更されるそうな

https://hirotashi-domi.hatenablog.com/entry/20161004/1475595068 

 

このルール変更に対しては、実質的にはへそくり(5)があるときくらいしかゲームに影響はないといったん書き、その後テキスト変更によりへそくりに対しても影響がない旨を追記しました。

そのためこの新ルールは今でもあまり気にせず、実際にプレイする際に対戦相手がシャッフル前に先にカードを見たとしても特に何とも思ってなかったのですが。

 

このStar Chart(3)の登場によって、また面倒くさいことになりました。


Star Chart
Projects コスト3
シャッフルするとき、そのうち1枚を一番上に置いてよい。

 

例えば山札が残り4枚のときに購入フェイズを終え、クリンナップフェイズに山札から5枚引こうするとき、以前のルールであればStar Chartの選択をその4枚を見た後に行うことができましたが、この新ルールになった現在では見ることができず、その4枚を伏せたままでStar Chartの選択をすることになります。

あるいはドローカードでも。山札が残り1枚のときに鍛冶屋(4)をプレイすると、その残り1枚を伏せた状態でStar Chartの効果を解決します。

You take just the cards being shuffled, look through them, pick one, shuffle the rest, put the one you picked on top... then put the pile under the left-to-draw cards if any and then do your drawing or whatever you were doing.

http://forum.dominionstrategy.com/index.php?topic=19025.msg771777#msg771777

 

さて問題は。

この新ルールについて、ドミニオンを遊ぶ人達の間で完全に周知されているかというと、実感としてそれほどでもありません。Renaissanceの日本語販売はいつになるかわかりませんが、発売後に遊ばれるようになった際には十分注意する必要があるでしょう。

 

ところで。このルールが周知されたとして、それでもうっかり見てはいけない山札を見てしまった場合、どう処理したらいいでしょうか。

手作業で行うカードゲームにこうしたミスプレイはつきものですが、見てしまったからと即負けとするのも厳しすぎる気がしますので、この場合は「このときのみStar Chartの効果を放棄する」とするのはどうでしょうか。通常と同様に、普通にシャッフルしてから残りをドローするのです。

ドミニオン日本選手権2019 今年も開催!!

 

毎年毎年、さて今年はあるのかなあるのかなとどきどきしながら待っている大会が、今年もめでたく開催の運びとなりました。

さあさあ。