ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

サプライでないカードの獲得について そして繁栄のテキストの矛盾について

このドミニオンというゲーム、収穫祭で馬上槍試合(4)が登場し、それによって獲得される褒賞という5種のカードが出たとき、これが初めての「サプライでないカード」でした。

 

その後は傭兵(0*)やら略奪品(0*)やら、家宝だゾンビだ馬(3)だと続々と増えていき、ゲーム開始前の準備も大変なことになってきたわけです。

 

 

さて。

例えば密輸人(3)で略奪品は獲得できるでしょうか。道化師(5)で願い(0*)は取れるでしょうか。

という疑問に対し、答えはノーなのですが、その根拠として「獲得は普通サプライから行うから」とされてきました。密輸人も道化師もただ「獲得する」としか書いておらず、ただ「獲得する」とだけ書いてある場合、その範囲はサプライのカードだけだから、と。

 

一方、山賊の宿営地(5)で略奪品が獲得できるのは、あるいはレプラコーン(3)で願いが獲得できるのは、それぞれ「その山から」と、獲得する場所が書かれているからだ、と認識されていました。場所が書いてあればサプライでない場所からでも獲得できるのだ、と。

 

しかし2019年、こうしたサプライ外からの獲得効果を表すテキストから、その場所を示す記載が削除されました。

forum.dominionstrategy.com

 

When a card tells you to gain a non-Supply card by name, you can gain it from its pile, even though it's not in the Supply.

カードがサプライ外のカードを名指しで獲得するよう指示しているとき、それがサプライ外でも、その山から獲得できる。

 

例えば山賊の宿営地のテキストは、以下のように変化しています。

初版 Gain a Spoils from the Spoils pile.
2019エラッタ Gain a Spoils.

 

なるほど、名指ししているなら場所が書いていなくてもいい、となったわけですね。

 

同じく、幽霊(4)を獲得できるとしている呪いの鏡(0)のテキストも、"to gain a Ghost from its pile." から "to gain a Ghost."に変わりましたが、3種の精霊のいずれかを獲得する悪魔祓い(4)のテキストは"Gain a cheaper Spirit from one of the Spirit piles."のまま変わっていません。こちらは「名指し」しているわけではなく、精霊というカードタイプでの指定だからでしょう。

 

 

ところが。

このような「名指ししていれば場所は省略できる」「名指ししていない場合は場所を明記する」というルールの、この後者の方がいつのまにか蔑ろにされてしまったようです。

 

たとえば、戦利品の袋(6)にはただ「戦利品を獲得する」(Gain a Loot.)としか書かれていません。

戦利品(Loot)は単なるカードタイプであり、カード名ではありません。獲得するカードを名指ししているわけではないのに、なぜこれで獲得できるんでしょうか。

 

 

そして同じく略奪から、繁栄(10)というイベントの効果にはこう書かれています。

戦利品1枚と、名前の異なる財宝カードを好きな枚数獲得する。
Gain a Loot, plus any number of differently named Treasures.

ここで獲得するカードはすべて、名指しではなく、カードタイプでの指定でしかありません。

 

ならばこの後者の「財宝カード」という指定で、略奪品は獲得できるのでしょうか。

 

もしできないとしたら、その理由はなんでしょうか。サプライでないから?名指しでないから?前半の「戦利品」はサプライでも名指しでもないまま獲得するのに?