ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

ドミニオン 〜Renaissance〜 カードレビュー その1

今年もはじまりはじまり。今週は毎日新拡張のレビューが行われる週です。
今日月曜のドナルドによるプレビューはこちら。いまのところおとなしそうです。聞いたことのない単語は出てきていませんね。

Renaissance Previews #1: Mountain Village, Priest, Seer, Scholar, Experiment
http://forum.dominionstrategy.com/index.php?topic=19008.0

Mountain Village
アクション コスト4

+2アクション
捨て札置き場を見て、そこからカードを1枚手札に入れる。これができないとき、+1カード。

ゴミあさり(4)のような効果ですが、そのターン中にその拾い上げたカードを打てるのは大きいですね。アタックカードを連続で打つことも、ただ単に金貨を拾っても。
増えたアクションが無駄にならない村、といえば囲郭村(4)が思い出されますが、あちらは無駄にならないターンが来るまで何度でも打てるというものなのに対し、こちらは即効性があります。


Priest
アクション コスト4

+2金
手札を1枚廃棄する。
以降、このターン中、あなたがカードを廃棄するたびに、+2金。

ドナルドも書いているように、重ね打ちが強くなります。2枚打てばそれだけで6金、3枚なら12金です。もちろんアクションを増やす必要がありますし、3回打つなら手札を増やす必要もありますが。
さて、このPriestを打った後にカードを廃棄する方法ですが、よく考えると購入フェイズ中にもいろいろありますね。あるいは偽造通貨(5)やGoat(2)はプレイするだけでよく、立案(3)で廃棄トークン乗せたカードを買えば購入によって金量を増やすことも。
いや、不正利得(5)や掘出物(5)をプレイして得たカードを望楼(3)で廃棄しても、いやそんなこと言ったら余っているbuyで銅貨買って即望楼で廃棄しても・・・
あるいは、そんな悪だくみしなくても、単に2周目に屋敷を廃棄するためだけに買うことを考えると、引揚水夫(4)より確実性があると言えるのではないでしょうか。屋敷と出会わなくても2金はもらえますし。

Seer
アクション コスト5

+1カード
+1アクション
山札を3枚公開する。このうちコストが2以上4以下であるカード(すべて)手札に入れ、残りは好きな順で山札の上に戻す。

めくった3枚がすべて銀貨なら6金出せますが、もしその3枚に当てはまるカードがなければ単なるキャントリップに。特に序盤は銅貨を引けずに屋敷を引くことになると考えると、どうなんでしょうか。2から4コストでコンボパーツが構成できるなら・・・?名品(3+)や掘進(2)などによる銀貨たっぷりデッキなら・・・?


Scholar
アクション コスト5

手札を(すべて)捨てる。
+7カード

豪快!
書庫(5)のような感覚で使う気がするんですが、どうなんでしょうか。ということは祝祭(5)と相性がいいとか。

Experiment
アクション コスト3

+2カード
+1アクション
このカードをサプライに戻す。
−−−
このカードを獲得したとき、もう1枚Experimentを獲得する(これによってさらにもう1枚獲得することはない)。

1度だけ使える研究所ですね。港町(4)のように2枚1セットで買えますが、こちらは購入でなくても可です。

あなたの屋敷があの人の屋敷になったら


https://twitter.com/engirebn/status/994614907910803456

このエンジさん(@engirebn)のツイートで初めて気づいたことです。

先日の「自己言及するカード(http://d.hatena.ne.jp/hirotashi-domi/20180509)」でも書いたように、現在のドミニオンでは、うまくやればプレイの途中でプレイされたカードが場から離れ、その後いろんなところに移動します。うまく手札に入れば自己言及、つまり「自身を自身でプレイ」することもできるわけですが、この時大使(3)を使って対戦相手の捨て札に送ることもできるわけです。


上にあるように、冠(5)*1を相続(7)してから、玉座の間(4)の対象に屋敷を選択し、屋敷の1回目のプレイで伝令官(4)をプレイ。その1回目のプレイで公開された工房系のカード(例えば大学(2ポ)など)で官吏(5)を獲得し、その獲得時効果で場にある財宝カードが山札の上に戻ります。ここで屋敷は財宝カードでもあるためその対象となり、伝令官の2度目のプレイでその屋敷を引き、公開された大使でその屋敷を対戦相手に渡せば完了です。屋敷の2度目のプレイ時、すでにその屋敷は「あなたの屋敷」ではなくなっているわけですが、このとき対戦相手もまた別のカードを相続していればその能力を持つ、とステドミ*2で裁定されているということです。


これについて、まじぽにさん(@majiponi)はDominion Strategy Forum*3で取り上げ、ルール質問のカテゴリにスレッドを立て、これに付随するもうひとつの問題を挙げました。

And more, I've noticed another problem. If I have another Estate in my hand, we cannot tell which Estate I played (on dominion.games). Did I play the returned Estate? I mean, do I play Estate as Crown, or play Estate as "solid Estate" (so I fail to play it again)? (Maybe too complicated question...)

もし手札にもうひとつ屋敷を持っていたとしても、いまプレイした方の屋敷がどちらかを示すことができない。冠としての屋敷をプレイするのか、あるいは「ただの屋敷」をプレイするのか(そしてプレイに失敗するのか)?

http://forum.dominionstrategy.com/index.php?topic=18598.0


これまでドミニオンにおいて、2枚の同名のカードはいずれも「同じカード」と扱われて区別されず、そのカード1枚が固有の要素を持つことはありませんでした。特に手札にある2枚の同名カードはどちらがどちらかを判定することが他のプレイヤーにはできず、その必要もありませんでした。
しかし相続の誕生によって「あなたの」という概念が生まれ、そして様々な方法でプレイの最中でカードは場から動くようになりました。結果、プレイの最中に「あなたの屋敷があなたの屋敷でなくなる」という事象の発生が可能となってしまったのです。



このお二人に便乗する形でさらに問題を挙げるなら、このプレイの最初が「玉座+屋敷」ではなく「玉座+屋敷+屋敷」だったとして、官吏の獲得時に2枚の屋敷が山札の上に戻り、その後その2枚を手札に引き(伝令官に+1カードトークンが乗っていた、などの方法で)、大使でその2枚をサプライに戻したとします。
そしてこのゲームが3人戦で、対戦相手の2人とも別のカードを相続していたとしたら。サプライに戻された2枚の屋敷は2人の対戦相手がそれぞれ1枚ずつ獲得するわけですが、では次にプレイされる屋敷は2人のどちらが相続したカードとして処理すべきなのでしょうか。ステドミではどう処理されるのでしょうか。2枚の屋敷を戻す順序を決めることで狙ったプレイをすることは可能なのでしょうか。



このスレッド上でのドナルドの回答がこちら。

The behavior is correct, and you are correct about the other problem.

その処理は正しいし、もう一つの問題についてもあなたが正しい。

There are two classes of solutions: changing the lose-track rules to lose track harder, and changing Inheritance.

解決の方法は2つ。「消息不明ルール」より強いものに変えるか、相続を変えるか。


The lose-track change would change Throne / Feast in the original main set; I'm not doing it. People don't know the lose track rule, and the main set rulebook said Throne / Feast worked. For new games this would be a thing to consider; Dominion does not want to mess with that.

「消息不明ルールの変更」は最初の基本セットの玉座の間+祝宴を変えることになるだろう(訳注:「あなたのカード」でなくなったら効果を失うとした場合、祝宴を廃棄した時点で効果を失うため、2回目のカード獲得はできなくなる、という意味のことを指していると思われる)。私はそうはしない。みな消息不明ルールは知らないし、基本セットのルールブックにも玉座の間+祝宴は効力があると書いてある。新たなゲームのためにこれは考慮すべきだ。これによって混乱を生みたくはない。

The only possible (heavy errata) fix I see for Inheritance is the "during your turn" that Bridge etc. use - all copies everywhere change. Inheritance breaks an important rule, that all copies of a card should be identical, and this convoluted combo exploits that. Inheritance originally said "during your turn"; the problem is that you get super-weird stuff immediately, with trivial rather than convoluted combos. For example I inherit Caravan Guard and play an attack; you respond with Estate because it's Caravan Guard. But on your turn the Estate is in play and has no abilities, or is some other card that you inherited. The rules handle it, but it's super-confusing.

相続に「あなたのターンの間」という条件を加えるエラッタを施し、場所を問わないと変更する可能性がある。相続は重要なルールである「同名のカードは同一である」を破っており、この複雑なコンボを悪用する。
オリジナル版の相続には「あなたのターンの間」があったが、すぐに奇妙な問題が発生する。例えば、私が隊商の護衛を相続し、アタックカードをプレイしたとき、あなたは屋敷をプレイできるだろう(それは隊商の護衛だから)。しかしあなたのターン中、場にある屋敷は効果を持たないか、あるいはあなたが相続しているカードとなる。これはとても混乱するだろう。

Feel free to simply not play with Inheritance. That actually solves the problem.

相続のあるゲームをプレイしないこと。これで問題は解決される。


In my defense, Inheritance was a lot of fun. Today I would have you do the effect without Estate changing, e.g. you can discard Estate to play the set-aside card, leaving it there, and it's limited to non-durations (like Necromancer). That gives you "my Estates do this thing" but cuts out things like "they are Actions for Herald." And the Estates are always just Estates so so much for that. It's a poor fit for Adventures, since there are lots of Durations and also Reserve cards, which are useless here. It could have been in Empires though. Anyway we wouldn't use errata to effectively make Inheritance some other related thing.

弁明だが、相続はとても楽しいものだった。ただちに、屋敷を変更することなく効果を持たせられるだろう。例えば屋敷を捨てて脇に置いたカードをプレイし、またそこに戻る(Necromancerのように)、ただしそれは持続カードでないという制限をつける、など。これによって「わたしの屋敷は効果を持つ」ことはできるものの、伝令官にとって「それらはアクションカードである」という点は除かれる(訳注:伝令官で屋敷を公開したときにプレイできなくなる、という意味の事と思われる)。屋敷は常に単なる屋敷でしかなくなる。持続カードの数も多く、リザーブカードもある冒険では役に立たず、適していない。帝国に置くべきだったかもしれないが、とにかく、相続を効果的にするためにエラッタは使用しない。

この後もスレッドは続きますが、結論として「その処理は正しい」というドナルドの言葉が出てしまった後は、ではこれをどのような方法で起こらないようにすべきか?という議論にシフトしていきます。「官吏が悪さをしていることは明白だ」などと認めながら、ドナルドはこう書きました。

but I think it's better to just play the set-aside card as suggested.

しかし、提案されたように、脇に置いたカードをプレイする方が良いと思う。

つまり相続は、屋敷を場にプレイするのではなく、屋敷を捨てる代わりに脇に置いた(屋敷トークンが置かれた)カードを場にプレイし、すぐに場から元に戻すと変更した方がよいという考えを明らかにしたのです。これはつまりルール変更を仄めかしているのですが、ではそれはいつなのか。冒険の次の版では変更するという意味なのか。
少なくともその日が来るまで、我々は「この屋敷は誰の屋敷なのか」に悩みながらドミニオンをプレイする必要があるようです。

(その後のルール改定(2019ルール)により、相続の効果が変更され、上記について明確化されました。)

*1:エンジさんは王冠(Diadem)と書かれていますが、おそらくは冠(Crown)の事だと思われます

*2:https://dominion.games/

*3:http://forum.dominionstrategy.com/index.php

値下げの範囲について



簡易更新。

似ているようで微妙に違う、これらのカードとトークンについて、まとめです。


カード/トーク値引額有効期間対象となるカード
橋(4)1度のプレイにつき-1プレイ時からそのターンの終了まですべてのカード
石切場(4)1枚につき-2場にある間すべてのアクションカード
行商人(8*)あなたの場にあるアクションカード1枚につき-2購入フェイズ中行商人
王女(0*)-2場にある間すべてのカード
街道(5)1枚につき-1場にある間すべてのカード
橋の下のトロル(5)1枚につき-1あなたのターン中の、場にある間すべてのカード
-2コイントーク-2あなたのターン中トークンが乗っているサプライを由来とするカード

  • 橋は玉座の間(4)などで複数回プレイすればその分だけ値引されるが、それ以外は影響しない。特に行進(4)では2度プレイした後に廃棄するため、街道などを対象としても値引きはされないことに注意。
  • 行商人はサプライだけでなく手札にあればそれも値引きされる。例えば農地(6)購入時、手札の行商人を廃棄したときに得られるカードは、場にあるアクションカードの枚数によって異なる。特に場に1枚だけあるとき、行商人のコストは6であるため、これを廃棄して属州を獲得できる。
  • 渡し船(3)による-2コイントークンは、プレイヤーの「色」を持っているにも関わらず、対象となるのはそのサプライを由来とするすべてのカード。例えば手先(2)に自身の-2コイントークンが乗っているとき、そのプレイヤーが詐欺師(3)をプレイし、ほかのプレイヤーの手先を廃棄した場合、そのときその手先は0コストであるため、呪いを獲得させることができる。

Monastery考


簡易更新。ダラ書きます。

  • 礼拝堂(2)と違い、Monastery(2)は基本的に圧縮を目的とするカードではない。獲得したカードと同じ枚数しか廃棄できないため、その前後でデッキ枚数は変わらない。ただし2枚以上のMonasteryを持てば減らすことは可能だが、手札のうち2枚を金量を生まないカードで占める手は積極的に取りたいものではない。引き切りなら。
  • 欲しくもないカードを獲得するとき、Monasteryが手札にあればその分だけ廃棄枚数が増えるため気にしなくてよい。埋蔵金(5)も金貨と同じ感覚で買え、あるいはならず者(6)や商人ギルド(5)で銅貨を買っても同じ枚数の銅貨を廃棄できると思えば気にせず買えるように。または抑留トークンが乗ったカードも。
  • 欲しくないカードをもらってしまうようなプレイでは、そのカードをそのまま廃棄可能。物乞い(2)や不正利得(5)で得た銅貨1枚も、あるいはLeprechaun(3)プレイ時にPlague*1で得た呪いも。
  • 改築(4)や改良(5)などの「廃棄して獲得するカード」であれば、その後のカード購入とあわせ2枚を獲得するため、つまり計3枚を廃棄したことになる。例えば「改良・銅貨・銅貨・屋敷・Monastery」の手札から、改良プレイ→銅貨を引く→屋敷を廃棄して銀貨獲得→3金で銀貨購入→Monasteryプレイで場の銅貨2枚廃棄、とすれば、つまりデッキ内の屋敷1枚銅貨2枚を銀貨2枚に変えたことに。
  • その他にも、死の荷車(4)や港町(4)購入時や、値切り屋(5)や隠し財産(6)プレイ時など、圧縮の効率が高くなるカードは要注意。

*1:「呪い1枚を手札に獲得する」効果のHex。

羊飼いは3ターン目8金の夢を見るか?


簡易更新。

初手でShepherd(4)-銀貨と買うと、デッキは銅貨6・屋敷3・Pasture1・Shepherd1・銀貨1の12枚。ここから第3ターンの手札にShepherdがあるとき、屋敷やPasture(2)を捨てると何金出るでしょうか。そしてPastureは捨てた方がいいんでしょうか。


手札捨てる枚数金量備考
Shepherd1・銅貨40枚4金
Shepherd1・銅貨3・屋敷10枚3金
屋敷1枚1/21で3金、8/21で4金、8/21で5金、4/21で6金第4ターンはそれぞれ6、5、4、3金が確定。
Shepherd1・銅貨3・Pasture10枚4金
Pasture1枚3/21で3金、9/21で4金、6/21で5金、3/21で6金第4ターンはそれぞれ5、4、3、2金が確定。
Shepherd1・銅貨3・銀貨10枚5金
Shepherd1・銅貨2・屋敷20枚2金
屋敷1枚5/21で3金、11/21で4金、5/21で5金第4ターンはそれぞれ6、5、4金が確定。
屋敷2枚10/35で5金、15/35で6金、10/35で7金リシャッフル
Shepherd1・銅貨2・屋敷1・Pasture10枚3金
屋敷1枚1/21で3金、8/21で4金、8/21で5金、4/21で6金第4ターンはそれぞれ6、5、4、3金が確定。
屋敷1枚、Pasture1枚6/35で4金、12/35で5金、13/35で6金、4/35で7金2リシャッフル
Shepherd1・銅貨2・屋敷1・銀貨10枚4金
屋敷1枚1/21で4金、10/21で5金、10/21で6金第4ターンはそれぞれ5、4、3金が確定。
Shepherd1・銅貨2・Pasture1・銀貨10枚5金
Pasture1枚3/21で4金、12/21で5金、6/21で6金第4ターンはそれぞれ4、3、2金が確定。
Shepherd1・銅貨1・屋敷30枚1金
屋敷1枚15/21で3金、6/21で4金第4ターンはそれぞれ、6金、5金が確定。
屋敷2枚15/35で5金、20/35で6金リシャッフル
屋敷3枚1/7で7金、6/7で8金リシャッフル
Shepherd1・銅貨1・屋敷2・Pasture10枚2金
屋敷1枚5/21で3金、11/21で4金、5/21で5金第4ターンはそれぞれ、6金、5金、4金が確定。
屋敷2枚10/35で5金、15/35で6金、10/35で7金リシャッフル
屋敷2枚、Pasture1枚1/7で6金、5/7で7金、1/7で8金リシャッフル
Shepherd1・銅貨1・屋敷2・銀貨10枚3金
屋敷1枚6/21で4金、15/21で5金第4ターンはそれぞれ、5金、4金が確定。
屋敷2枚20/35で6金、15/35で7金リシャッフル
Shepherd1・銅貨1・屋敷1・Pasture1・銀貨10枚4金
屋敷1枚1/21で4金、10/21で5金、10/21で6金第4ターンはそれぞれ、5金、4金、3金が確定。
屋敷1枚、Pasture1枚10/35で5金、20/35で6金、5/35で7金リシャッフル
Shepherd1・屋敷3・Pasture10枚1金
屋敷1枚15/21で3金、6/21で4金第4ターンはそれぞれ、6金、5金が確定。
屋敷2枚15/35で5金、20/35で6金リシャッフル
屋敷3枚1/7で7金、6/7で8金リシャッフル
屋敷3枚、Pasture1枚3/4で8金、1/4で9金リシャッフル
Shepherd1・屋敷3・銀貨10枚2金
屋敷1枚4金第4ターンは5金が確定
屋敷2枚6金リシャッフル
屋敷3枚8金リシャッフル

・とりあえず屋敷1枚捨てれば2周目に5金以上が出ることが確定。
・2枚以上捨てるとリシャッフルが入る。
・3枚捨てからは7金以上が見えてくる。
・Pastureは、屋敷もあるなら一緒に捨ててよい。屋敷がなく、Pasture1枚だけを捨てると2周目4-4の可能性が生まれる。


さて、第3ターンの手札がShepherd1・屋敷3・銀貨1で、3枚捨てて8金を出し、8コストのイベントである誘導(8)を買ってShepherdの上に+1カードトークンを置いたらどのくらい早くなるでしょう。手札に緑がないときのShepherdは単なる廃村(0)でしかありませんが、+1カードがあれば最悪でもキャントリップです。引いた後に手札の緑を捨てることでデッキは回転し、新たなShepherdと緑を引きやすくなります。これで属州4または属州3公領2まで、平均12.1Tだそうです。

Wishを獲得したいっしゅ

簡易更新。



Leprechaun(3)は「場のカードがちょうど7枚であるとき」、Magic Lamp(0)は「場に1枚しかないカードが6種類以上あるとき」という条件を満たせばWish(0)が得られるわけですが、普通にプレイしているとかなり難しい条件と言えるでしょう。Magic Lampは財宝カードなのでまだしも、Leprechaunはアクションカードなので、事前にアクションカード6枚打つか、あるいは前のターンにたくさん持続しておく必要があります。

ではどうするか。



例えば手札がLeprechaunと財宝カード4枚であるとき、その4枚をプレイしてヴィラ(4)を買い、これをプレイすれば場に5枚、Leprechaunと合わせて6枚です。あともう一息なので、前のターンに何かを持続させるか、酒場マットからリザーブカードを呼び出すか、あるいは堀(2)でも鍛冶屋(4)でも先に打っておけばいいんじゃないでしょうか。ヴィラ購入後なので残りアクション数は気にする必要がありません。
Magic Lampの場合もまた、場のカードを増やす意味でも、あるいは手札のアクションカードをもう1-2枚プレイする意味でもヴィラは有用ですね。



語り部(5)もまた、アクションカードより先に財宝カードをプレイする手段の一つです。語り部と財宝カード3枚をプレイすれば場に4枚、もう1枚語り部と財宝カード1枚をプレイすれば6枚。Leprechaunでちょうど7枚です。
またMagic Lampの場合は、語り部と金銀銅プレイで7枚ドローし、その後何らかのアクションカード1枚打つだけで5種類、Magic Lampプレイでちょうど6種類です。

焚火-変成について改めて



以前に焚火(3)と相性のいいカードについてまとめを書いた際に軽く触れた、焚火-変成(0ポ)について、改めて書いてみようと思います。
そもそも変成が弱いカードであることは有名ですが、どうしてそんなに弱いのか。屋敷を金貨にできるならその一点だけでもなかなか使えるような気がするのですが、実際に使ってみるとすぐにその弱さを知ることになります。弱さというよりも遅さというべきでしょうか。
変成で屋敷を金貨に変えるまでには、初手でポーションを買い、2周目にそのポーションで変成を買い、3周目にその変成で屋敷を金貨に変えたところで、その金貨を使えるのは早くて4周目となります。「4周目に金貨を持っている」ことなんて普通にプレイしていれば当たり前のことです。
しかもこれはあくまで順調にデッキが回った時の話であり、2周目にポーションが沈んだり、3周目に変成が沈んだり、あるいは3周目の変成プレイ時に手札に屋敷がなかったりしたら、それだけで金貨が入るのがもう1周遅れます。5周目ともなればもうゲームは終盤となり、取り返しがつきません。
さらに言うならば、金貨を獲得したいがために、属州購入には役立たずであるポーションと変成の2枚のカードをデッキに入れるのはどうなんだという問題が生じます。3周目以降のポーションや4周目以降の変成は通常使い道がなく、変成でポーションを廃棄したとしてももう1枚の変成がデッキに入るだけで、状況は改善しません。

というように変成がいかに弱いかを挙げたところで、ではどういう状況でなら変成が強くなるのかを考えてみます。しかしこれは、変成の弱い部分を裏返すだけであり、つまり、

  • 金貨獲得までが早ければ。
  • ポーションや変成が沈まなければ。変成と屋敷が確実に出会えれば。
  • 役目を終えたポーションや変成を廃棄できれば。

ということになります。そしてそれらをすべて叶えるイベントこそが、焚火であるわけですね。

初手を焚火-ポーションで始めれば2周目のデッキは9枚で始まり、その後も銅貨は焚火によって燃やされていくためにデッキは薄くなる一方です。そのため変成と屋敷が出会う可能性も大幅に上がり、屋敷3枚を金貨3枚に変えつつポーションと変成も燃やすことができます。
5回目の焚火により、デッキ内が金貨3枚だけになるまで7-9ターンほど。そこから3ターン連続で属州を買い、次のターンも1/2の確率で属州を。



そのほかに、焚火があるときに忘れがちないくつかの事柄について列挙を。

  • 各種廃墟(0)の廃棄。
  • 不要な共同墓地(1)、Cursed Gold(4)の廃棄。特に初手で。
  • Haunted Mirror(0)の廃棄によるGhost(4*)の獲得。特に共同墓地があれば初手でも。
  • 終盤、プレイされた地下墓所(5)や狩場(6)を廃棄することによる追加得点、あるいは3山枯らし。