黒猫(2)で起こるジレンマ、については以前も書きました。
黒猫戦では、勝利点カードを買うと却って損してしまう、ということがあり得るため、いま属州を買ってもいいのかという判断が難しくなるな、と思っていたんです。これまでは。
しかしよく考えてみると、難しいのはその勝利点カードを買う側だけではなく、黒猫を打つ側もであるということに気付いたんです。
その黒猫、本当に打ってもいいんですか
例えばこんな状況だとして・・・
- 残り属州1枚で、自分のターン。
- 点差は8点負けていて、自分が先手。
- 13金2buyを出せた。
- 相手の手札に黒猫がある確率は50%前後。
こんなとき、どうプレイすべきでしょうか。
13金2buyで属州と公領を買うとき、相手が黒猫を打ってこなければ勝ち。打たれたら負けとなります。
ここで、属州と公領のうち、先に属州から買うと・・・
- 属州購入時に黒猫を打たれると、負けが確定する。
- 属州購入時には黒猫を打たれず、公領購入時に打たれると、負けが確定する。
と、どちらでも負けとなります。
続いて、公領から先に買うとどうなるでしょうか。
- 公領購入時に黒猫を打たれた場合、次に属州を買うと負けが確定するため、買わない。
- 公領購入時に打たれず、属州購入時に打たれると、負けが確定する。
となり、黒猫のタイミング次第ではまだゲームが続く可能性があります。
まとめると、こう。
購入順序 / 黒猫タイミング | 1枚目に対して打つ | 2枚目に対して打つ | 持ってない |
属州→公領の順で買う | 先手の負け | 先手の負け | 先手の勝ち |
公領→属州の順で買う | ゲーム続行 | 先手の負け | 先手の勝ち |
つまり、互いの最善行動は・・・
- 先手は、買うなら公領から買うべき。
- 後手は、先手の属州購入を見てから打つべき。
となり、自然と黄色のマスが示す結果になるわけです。
と、思っていたんですが。
この事が互いに分かっている状況で、先手が公領から先に買い、後手に黒猫を打たれなかったとき、先手は続けて属州を買うべきでしょうか。黒猫を打たれたら負けるのに。
上の説明により、後手の手札に黒猫がある可能性が残っているため、もし先手が慎重な性格なら、ここは別のカード(ここでは、例えば金貨だとします)を買って安全にターンを終えた方がいい、と判断することもあるでしょう。
先手がそう判断した場合、公領購入時に黒猫を打たれても打たれなくても、続けて属州を買うことはないわけです。
購入順序 / 黒猫タイミング | 1枚目に対して打つ | 2枚目に対して打つ | 持ってない |
属州→公領の順で買う | 先手の負け | 先手の負け | 先手の勝ち |
公領→属州の順で買う | ゲーム続行 | 先手の負け | 先手の勝ち |
公領→金貨の順で買う | ゲーム続行 |
ゲーム続行 (黒猫打てず) |
ゲーム続行 |
先手が最後の属州を買わなかったためにゲームは続き、後手は黒猫を打ちそびれたまま自身のターンを迎えます。
だったら公領購入のときに打っときゃ良かったな、と思うことでしょう。
では、もし後手が先手の慎重な性格を読み、公領の後に属州は買わないだろう、と思ったなら。公領購入時にすぐ黒猫を打つ方がいいでしょう。
購入順序 / 黒猫タイミング | 1枚目に対して打つ | 2枚目に対して打つ | 持ってない |
属州→公領の順で買う | 先手の負け | 先手の負け | 先手の勝ち |
公領→属州の順で買う | ゲーム続行 | 先手の負け | 先手の勝ち |
公領→金貨の順で買う | ゲーム続行 |
ゲーム続行 (黒猫打てず) |
ゲーム続行 |
上の結果に比べ、黒猫を打てる分だけ得するわけです。
というわけで、後手にとっては公領購入に対して黒猫を打った方が特になることも、打たない方が特になることもあるため、ここは相手の行動の読みあいになるわけですね。
さらにFootpad戦のとき
ここまでの議論、これまでも人によっては考えられていたことではあったんですが、先日発表になったFootpad(5)のあるゲームではさらに難しくなります。
黒猫で相手に呪いを獲得させたとき、それがアクションフェイズであれば黒猫を打った方だけでなく打たれた方の手札も増えることになります。できればアクションフェイズ中でなく、購入フェイズに打ちたいわけです。
ということを踏まえると、自分が黒猫を持っているとき、相手が改築(4)で金貨を属州にしたとき(特に、まだ1アクション余っているとき)、黒猫をプレイすべきかどうか。悩みませんか。どうですか。その後の購入フェイズで勝利点カードを買うとわかっているならいいんですが、そうとも限りませんし。