ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

今日のLandmark その3 Keep


Keep
Landmark


点数計算時、財宝カードの名前1種ごとに、そのカードを最も多く持つプレイヤー(同数でも)は+5VP。


以下、主に二人戦でのKeep戦について考えたいと思います。



■基本的な考え
例えば通常のゲームでは、主に属州をはじめとする勝利点カードの枚数の競い合いをしているわけですが、Keepがあるゲームではそれに加えて各財宝カードも競う対象となります。まるでドミニオンというゲームの中で「どちらが財宝カードを多く集められるか」というミニゲームをしているようです。
しかも1種につき5点。金銀銅で勝てば15点ですから、例えば属州が5-3に分かれて12点差をつけられたとしても、3種の財宝カードによるミニゲームで勝てば問題ないということになります。
これまで財宝カードはより価値の高いカードを買うための金量でしかなく、つまりは勝利点カードを買うためのものであったわけですが、Keep戦での財宝カードそのものの持つ点数を考えると、そのカードのコストや生む金量は時に問題にならず、ただ相手より1枚だけ多く持っているという状態を作り出すために買うカードを選択することとなります。例えば6金出てるのに銀貨を買うとか、5金で公領でなく銅貨を買うとか。
そう、5点とはあまりにも大きい点数です。銀貨でのミニゲームで負けている側が1枚銀貨を買って同数に追いつく行為は5点行動であり、さらにもう1枚買って勝利するともう5点。3金を2回出すだけで10点の価値があるということになるわけです。
この5点は属州の6点には敵わないものの、しかしデッキに1枚緑を混ぜて6点得るより、金量を増して5点の方がいいという場面も多く存在します。属州の枚数で負け、それを逆転にするためにあえて属州を買わない(いわゆる「7枚目の属州問題」)の対応としても財宝カードの購入という道が生まれたため、さらにゲームは長引くことになるでしょう。
いずれにせよカウンティング(それぞれの所持枚数を数えて覚えること)は必至です。対象となる財宝カードが3種ならまだいいですが、これが借金(3)やら愚者の黄金(2)やらの王国カードが加わると、いやそれならまだ10枚しかないので管理は容易ですが、ポーション(4)やら略奪品(0*)やらまで加わるととんでもないことになるでしょう。


■手番の価値が大きいゲーム
buyが増えず、工房(3)のようなカード獲得手段のないサプライにおいては、1ターンにカードを1枚ずつしか獲得できず、財宝カードの枚数に差がつきにくくなります。そのため1回の手番は貴重な「財宝カードを買う機会」=「5点を得られる機会」であるため、例えばアクションカードや公領などを買ってしまうなどしてこれを無駄にすることはそのままそのゲームの敗因になりかねません。
そのため初手からずっと銀貨・銀貨・銀貨・銀貨・金貨・銀貨・・・などとひたすら財宝カードを買う展開になるケースも考えられます。
例えばこんなサンプルゲームで、

123456789
先手銀貨銀貨銀貨金貨金貨金貨属州属州公領
後手銀貨銀貨銀貨銀貨金貨金貨金貨属州-
後手は金貨が入るの1ターン遅れ、結果勝利点争いで遅れ気味ですが、しかし金貨は同数、銀貨は優っています。
ここで迎えた第9ターン、8金なら属州、6金なら金貨でもいいでしょうが、それ未満のときなら思い切って銅貨を買ってみてはどうでしょう。属州と公領で9点負けているところにKeepで10点得られ、これで(とりあえずは)逆転します。


■追う立場では
財宝カードの枚数で負けているとき、それが1枚差であれば追う価値はありますが、2枚以上負けていて、何かしらの追いつく方法がなければ無理に争う必要はないでしょう。別の財宝カードを追うか、枚数で勝っている財宝カードがあればそれを安全なところまで引き離した方がいいでしょう。もちろん引き離しすぎることもまた手番を無駄にしますので注意ですが。


■さてどうやってゲームを終わらせるか
そうは言っても金貨も銀貨も枯らすまでには時間がかかり、争ったところで1種あたり最大5点差しかつけられません。属州は何枚買っても1枚あたり6点であるため、やはり最後には属州の枚数が勝利を決めます。「7枚目の属州問題」でもない限り、8金は通常通り属州を買っていいでしょう。


■希少価値のある財宝
闇市場(3)があり、その中に財宝カードがあれば是非とも手に入れておきたいです。買えればその1枚しかない財宝カードでのミニゲームの勝利が確定し、そのままゲーム終了まで持ち続けるだけで5点のリードを得ます。
それ以外にも、たとえば二人戦では1枚しかないHumble Castle(3)は先手が初手で買えばそれだけで5点+αですし、奇数枚であるPlunder(5)やRocks(4)は3枚を確保すれば勝てる、(その気になれば)勝ちやすい財宝カードと言えるでしょう。


■三人戦での考え方
王国カードに財宝カードがある場合、10枚を3人で分け合うのでみんな同数というわけにはいきません。ここにマルチゲームらしい駆け引きと心理戦が生まれます。
この争いの途中で3-3-2と分かれ、残り2枚となったとき、それぞれのプレイヤーはどう考えるでしょうか。
まず3番手は、3枚目を買って3-3-3とするでしょうか。どうせ買っても次のターンに1番手が最後の1枚を買い4-3-3となって負けるだろうから無駄だ、と思えば買わないでしょう。
では3-3-2の形で2番手のターンとなったとき、こちらは買うでしょうか。買って3-4-2としたとき、3番手が買って3-4-3としてくれることはほぼ望めず、そうなるとやはり1番手が最後の1枚を買って4-4-2となる。それなら先に1番手が買ってから自分が買っても同じと考え、保留するかもしれません。
そこまでの心理を読んだ1番手は3-3-2の形から買うでしょうか。2番手も3番手も買わないのなら、このまま終わっても同率1位。買ってもすぐに2番手が買い4-4-2となってやはり同率1位。なら別に今買う必要もない。それどころか買うと2番手と二人して1手ずつ無駄にしてしまう。と考えて買わないのであれば、つまり3-3-2の形からは誰も買わず、膠着状態になるでしょう。

では三人のうち一人がそのカードを買う意思を見せなければどうでしょう。事情は二人戦と同じく10枚の過半数争いになるのですが、しかし5枚を買うのにそれぞれ5手ずつかかるのであれば、買わないことにした一人は5手が浮くことになります。それを利用してデッキを強化して5点以上を生めばいいだけですが、うっかり参戦してしまった二人が例えば3-3に分け合ってしまい、そこにどちらかがもう1枚買い足すともう一方も買わざるを得ず、互いに1手ずつを損するだけの展開となります。同数になったところで談合したいところですね。



■有効なカードは

勝利点カード買いつつ財宝カードも獲得できるカード:
隠し財産(6)、値切り屋(5)など

財宝カードを獲得しつつその金量で勝利点カードも買えるカード
探検家(5)、物乞い(2)など

財宝カードを大量に獲得できるカード
名品(3)、トレジャーハンター(3*)など