ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

拷問人ロック今昔物語

 

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過去に何度か紹介している、おそらく世界初のドミニオン攻略同人誌「ドミニオンレシピ」、その「陰謀編」で初めて名前が付けられたのが、1ターンに何度も拷問人(5)を打つことで相手のゲーム進行を止める戦術、「拷問人ロック」でした。

 

打つ度に、ほかのプレイヤーは手札を2枚捨てるか、呪いを手札に獲得するかを迫られるわけですが、多くの場合呪いを獲得するのは痛く、特に呪いの廃棄手段がないゲームではこれを避けるため捨て札を選ぶことになるのですが、そこでもう1度拷問人を打てば相手の手札は1枚、事実上のパスとなり、ずっと主導権を握ることができます。

 

当然、拷問人を何枚も打つためにはそれだけ多くの村(3)が必要であり、村がサプライに1種類しかないときに十分に確保できなければ、相手にだけ強力なロックを打たせることを許すこととなります。よく漁村(3)などの使い勝手のいい村があるとき、まずこのカードの取り合いになる展開になることがありますが、これは確保しないと気づいた時にはなくなっていて、自分だけ拷問人の連打ができない、という状況になってしまうためです。


さて、自分の手札に村と拷問人が数枚あり、次の自分のターンにこれを連打できるなというときに、相手に拷問人を連打された場合、これらを捨てると自分は拷問人の連打を始めることができず、とはいえ呪いは獲得したくない、というジレンマに悩むことになります。

 

拷問人を3回打たれ、手札をすべて捨てた後でも、自身のターンで拷問人を連打するには、どうすべきでしょうか。

 

 

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という問題に対し、海辺で登場した停泊所(2)というカードが一つの回答を与えてくれました。


停泊所を2回打ち、あらかじめ村と拷問人をわきに置けば、とりあえず1回は打つことができ、あわせて4ドローでさらに村と拷問人を引いてこれれば。手札0枚からでも拷問人を連打することができます。つながるかどうかが心配なら、停泊の枚数を増やすことでわきに置く村と拷問人を増やすこともできます。

ほかにも、この停泊所の代わりに道具(3)でもいいですね。

 


というように、「拷問人ロックするならついでに次のターンの準備もしておくようにすることで、相手が同じく拷問人ロックを組んできたときの対抗策になる」ということがわかってきたわけですが、これをどこかに書いた記憶も、誰かが書いたのを読んだ記憶もありません(誰かご存じでしょうか)。こうして明文化したのは、ひょっとしてこれが初めてかもしれません。

 

 

さて、時は流れて。
カードを次のターンの手札に送ることを「次のターンの準備」としていた時代から、次のターンの開始時のプレイを予約しておく時代に変わってきました。カードを送るのではなく、あらかじめ打つ予約をしておくというものに。

 

 

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たとえばこの、+購入を増やした分だけ予約ができるイベント、遅延(0)のお世話になるだけで、余った購入の分だけ手札の拷問人を次のターンの開始時に打てるようになります。

いつのまにか村すら不要になっていたんですね。

 


かつて拷問人ロックのかけあいで勝負を分けるゲームをする際は、まずはその拷問人を打つ権利であるところの村の取り合いをしていた時代もあったんですが、なんだか時代は変わったんだな、と思ったもので、これを書いてみました。