ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

シャーマン考 その3

その1・その2はこちら。

 

hirotashi-domi.hatenablog.com

 

hirotashi-domi.hatenablog.com

 

シャーマン(2)の考察も3回目。考えるほどいろんなことを発見できるもので。

 

 

自分で廃棄して即回収

シャーマン戦で追加されるルール、ものすごくご都合主義で考えるならば、つまり毎ターン「欲しいカード」が廃棄置き場にあればとても嬉しい、ということになるわけですよね。

その「欲しいカード」、かつては単に強いカードとか、コストの高いカードと考えていたんですが、それより「獲得時効果のあるカード」の方が欲しいんですよね。

 

その1で書いた、変容(4)などのターン開始時にカードを廃棄する方法は、それぞれその廃棄によって何らかの利点を得ることを考えていたんですが、廃棄対象が獲得時効果のあるカードであればそれがなくてもよく、とにかく廃棄さえすれば、いったん廃棄置き場を経由して再びデッキに戻り、そのときに効果を得る、ということになります。

 

例えば大聖堂(3)によって毎ターン手札1枚を廃棄するとき、それが国境の村(6)なら、シャーマンによってその国境の村を即回収しつつコスト5のカードを獲得できますし、農地(6)なら回収時に改築効果を得ます(ただしこれによってコスト6のカードを獲得すると相手に取られるため、呪い→屋敷などに使うのがよい)。

 

その他、騎兵隊(4)を廃棄後即獲得して+2ドローを得たり、石(4)、遊牧民(4)、絹商人(4)を廃棄後即回収して効果を2回得ることも可能です。

 

 

それでもやっぱり自分で回収したい

一方、ターン開始時でなく、通常通りアクションフェイズなどのタイミングで廃棄したカードは、やはり相手に取られてしまいます。

これをなんとかできないかなと思っていたら、あれですね。前哨地(5)とか航海(4)など、追加ターンを得ることができればよかったんですね。これなら改築(4)で国境の村を廃棄した次の追加ターンの最初にその国境の村を自分で回収して、それぞれ+6VPと+3VPを実現できます。

 

そういうわけで、シャーマンと追加ターンは相性がいい、ということがわかりました。

 

なお支配(6ポ)の場合、増えるのは「自分が決定権を持つ相手の追加ターン」ですが、その間に獲得するカードは代わりに支配者が獲得するため、実質的にこれも追加ターンのうち、と言えるでしょう。

 

 

相手のデッキを相手のターン中に廃棄したい

一方、山賊(5)や詐欺師(3)などカードを廃棄しても、すぐに相手のターンの開始時に回収されてしまう、というのがシャーマン戦(の二人戦)でよくあることで。

 

こうしたデッキ破壊アタックは大きく弱体化するわけですが、それはその破壊が自ターンに起こるからであって、もし相手のターン中に起こすことができるなら、それを回収するのは自分の方ということになります。

 

そんなカードあるかしら、と思っていたら、ありました。

コルセア(5)です。

 

コルセア

アクション-持続-アタック コスト5

 

+2金
あなたの次のターンの開始時、+1カード。
それまでは、他のプレイヤーは全員、各ターンの最初に使用する銀貨または金貨を廃棄する。

 

通常に比べ、より銀貨や金貨をプレイすることを躊躇わせる効果を持つようになる、と言えるでしょう。

 

 

望楼は守備にも攻撃にも

そもそも「ターン開始時に廃棄置き場から獲得」という効果そのものは、手札に望楼(3)さえあれば実質的にこれを防げるわけです。

廃棄置き場に呪い1枚だけがあり、これを自分も相手も望楼で防ぎ続ける展開が続くとき、どこかで望楼が途切れた側が獲得してしまうことになるわけです。望楼をラケットとしたテニスや卓球のラリーのようですね。

 

ならば、もしこのラリーに勝つ自信があるのなら、余ったbuyで呪いをわざと買い、これを望楼で廃棄して廃棄置き場に送り込むことで、自らラリーを始めることもできるわけですね。

 

 

封鎖ロックが現実的な話に

かつて書いたこの「封鎖ロック」ですが。

hirotashi-domi.hatenablog.com

 

封鎖ロックとは「相手に残りの呪いすべてを押し付ける」ことを実現することではなく、「それを避けるために相手の行動を縛る」という意味で使われるものだったんですが。

 

そもそも「他のプレイヤーに、そのプレイヤーのターン中に呪いを獲得させる」方法は限られており、これを実現するのは難しかったんですが。

 

もしもこれがシャーマン戦で、廃棄置き場に呪いしかないなら。封鎖で呪い1枚を獲得しておけば、相手はターンの開始時にそのトリガーを引き、残りの呪いすべてを獲得することになります。相手は成すすべがなく、行動を縛るどころか、一気にデッキを汚染させるアタックとなりました。

 

封鎖と望楼があるゲームでは、これらが揃ったときに封鎖で呪いを獲得し、呪いを買って望楼で廃棄すれば準備完了です。

 

実際に初手:封鎖-望楼で入って試してみたところ、2周目でそれらが揃えばよし、揃わなくても、封鎖だけ引けたならそれを打って封鎖を獲得、望楼だけ引けたならもう1枚望楼を買ってリアクションして山札の上に乗せれば、いずれの場合もだいたい次かその次で揃いますね。