ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

Lanternはどこまでの屋敷を照らすのか

http://wiki.dominionstrategy.com/images/thumb/8/88/Border_Guard.jpg/200px-Border_Guard.jpghttp://wiki.dominionstrategy.com/images/thumb/b/b8/Lantern.jpg/320px-Lantern.jpg

 

 よく言われる「相続(7)はカードの名前を変えない」問題ですが。

「Border Guard(2)を相続し、かつLanternやHornを得ているとき、屋敷までその効果を受けるのか?」と考えたとき、普通は受けないと考えると思います。自分もそうでした。なぜならLanternやHornのテキストにははっきりと"Border Guard"と書かれているため、「屋敷」という名前のカードには影響しないと考えられるからです。

 

しかしドナルドの回答は、Lanternに関してはだけは、そうではありませんでした。

 Inherited Border Guards benefit from Lantern.

Inheritance and Border Guard

 

争点となったのは、脇に置かれたBorder Guardもまた"Your Border Guards"のひとつであるということです。LanternがBorder Guardの効果を2枚から3枚に変更するなら、脇に置かれたBorder Guardもまた変更されるはずであり、これの効果を屋敷が得るなら、屋敷もまた公開するカードの枚数を3枚に変更するはずだ、と。

 

そうなると当然「ではサプライにバニラトークンが乗っているアクションカードを相続したら、屋敷もその効果を得るのか?」という疑問が浮かんできますが、これについてはドナルドは明確に否定をしています。

 No, the Adventures tokens are clearly things that trigger when you play a card, not shapeshifting.

Inheritance and Border Guard

この"shapeshifting"を用いた説明がいまひとつよくわからないんですが、しかしバニラトークンはその範囲を”When you play a card from that pile”としているのに対し、相続は脇に置いたカードであるため、その範囲が異なることは確かです。

 

 

 

整理してみます。

Border Guardには以下3種があります。

  1. サプライにあるBorder Guard
  2. 相続によって脇に置かれたBorder Guard
  3. 2.以外の、「あなたの」Border Guard

このうち「あなたの」Border Guardは2と3であり、Lanternはこの両方に対して効果を生みます。そのため屋敷もまた2を参照し、効果を生むということになります。

また、もし1.の上にバニラトークンが乗っているとき、そのトークンが効果を生むのは「その山に由来する」カードのみ、つまりBorder Guardそのものであり、屋敷はあくまで屋敷の山にしか由来しないため、バニラトークンの影響は受けないということです。

 

 

http://wiki.dominionstrategy.com/images/thumb/b/bc/Horn.jpg/320px-Horn.jpg

一方Hornですが、こちらは"when you discard a Border Guard from play"とあるため、場から屋敷を捨てる時には効果を生まないことがわかります。

 

(追記:その後のルール改定(2019ルール)により、相続による屋敷のプレイ時の効果は変更され、Border Guardそのものがプレイされることとなりました。そのため、結論は変わりませんが、上記の議論は無意味なものとなりました。)

買ってでも打ちたいアクションカード

その昔、男爵(4)というカードを知ったとき、効率的なカードだなあと思ったことを思い出しました。
男爵自体のコストは4金であり、そしてプレイして4金が出せるわけです。「4金で買って4金出せる」というのはドミニオンにおいては珍しく、例えば金貨は6金も出して買っているのに3金しか出ません。金貨よりもよっぽど男爵の方がコスパがいいと言えるでしょう。
対象をアクションカードだけに絞った場合、例えば民兵(4)は4金で買って2金しか出ないわけですから、その「差額」=(プレイしたときに出る金量)−(コスト)はマイナス2です。これに対し男爵はプラマイゼロ。他にも抑留(2)や公爵夫人(2)、調子いいときの巨人(5)も同じくプラマイゼロであり、死の荷車(4)はなんとプラス1となります。コスパだけ見れば、これらのカードはすべて差額マイナス2の民兵や、差額マイナス3の香具師(5)などに優っていると言えるわけです。



さて、なぜこんな机上の空論を書いているかと言うと、Renessanseで登場したProject、Innovation(6)が面白いからでして。



Innovation
Projects コスト6
各ターンでアクションカードを最初に獲得したとき、そのカードを脇に置く。そうした場合、それをプレイする。


購入フェイズにアクションカードをプレイすることについては多くの可能性がありますが、単純に金量を出すことだけ考えても買った方が得になるケースがあることがわかります。先ほどの死の荷車を4金で買って即打ちすれば1金得しますし、救貧院(1)なら3金の得になります。
また意外なところでは廃坑(0)もプラス1金に。buyが余っているとき、例えば7金2buyが出たときは廃坑を買うことで属州が買えるようになる、ということを見逃さないようにしましょう。


他にも以下のようなカードが。

秘密の部屋(2)、保管庫(5)、物置(3)、海賊船(4)、守銭奴(4)、引揚水夫(4)など


さらに言うならば、これらのカードの上に+1金トークンが乗っていたり、あるいは橋(4)や渡し船(3)などによって値下げされていればさらにお得になります。極端な話、「差額」がマイナス1だった木こり(3)でも、2金値下がりしていればプラス1となり、常に買った方が得するカードになります。


逆に考えるならば、「差額」がマイナスであっても金量が余っているならば買っていいとも言えます。例えば9金2buyが出て属州を買おうとするとき、単に属州だけを買うのではなく、余った1金を使って差額マイナス1のカード、例えば詐欺師(3)などのアタックを先に買って打ちつつ属州購入、という手も考えられるでしょう。



このようにInnovationは多くの可能性を持ったProjectであり、他にも公領買うより祝宴(4)買えば1金得とか、上家が公領買ったのを見て密輸人(3)買えば2金得とか、7金のうち4金だけ出して改築(4)買って金貨廃棄とか、玉座の間(4)買って楽しいことするとか、とにかくいろんな楽しいことが考えられるのですが、それらについてはまた別の項にまとめたいと思います。

こしょうひとつぶは おうごんひとつぶ  よりも?

Spices

財宝 コスト5


+2金
+1購入
−−−
このカードを獲得したとき、+2Coffers

長らく勘違いしていたんですが。

「Spices(5)はbuyの増える銀貨に過ぎない」というのはある意味正しいんですが、購入することで+2Coffersを得られるということは、つまり「銀貨を2金過払いして買えば2金を貯金できる」と言い換えることもできます。ではこうして貯金とともにSpicesを買うのと、金貨を買うのではどちらが強いのか。6金出てもSpicesを買った方がいいのか。

普通に考えれば、Spicesと金貨の出力差は1金であり、その差をトークンで2回まで埋められることを考えれば、つまり以降このカードを2回までしか使わないのであればSpicesは上位互換、3回使うのであれば金貨の方が優ることもある、ということになります。

しかし実際に回してみると、コイントークンの安定感はそれ以上の価値があることがわかります。ギルド環境に経験のある方なら分かるかと思いますが、終盤の6-7金による余った1-2金を無駄にしないという意味で、コイントークンを持っているという状態そのものに大きな意味が生まれてきます。

では実証。今日の一人回し。
よくある鍛冶屋(4)ステロで試してみます。

  • 初手:銀貨-鍛冶屋。鍛冶屋は1枚。
  • 3金で銀貨、5金でSpices、8金は、第6ターンまではSpices+銀貨を買う。第7ターン以降は属州。
  • 第6ターンまでコイントークンは原則使わない。ただし4金しか出ず、そのときコイントークンを持っているなら1枚使ってSpicesを買う。
  • 第8ターン以降は全力で属州。

この手順で、属州4枚まで11.0ターンと出ました。一般的な鍛冶屋ステロが13-14ターンと言われていますので、少なくともステロにおいてSpicesは金貨を大きく上回ると言えるでしょう。

Treasurerの第2効果について

Treasurer

アクション コスト5


+3金
1つ選ぶ:

  • 手札から財宝カードを1枚廃棄する
  • 廃棄置き場から財宝カードを1枚獲得して手札に入れる
  • Keyを得る


簡易更新。



Treasurer(5)の「第2効果」とは、3択から選ぶうちの2つ目にあたる「廃棄置き場から財宝カードを1枚獲得して手札に入れる」の事です。
廃棄置き場から財宝カードを獲得するカード(泥棒(4)、義賊(4)、盗賊(5)など)や、獲得した財宝カードを手札に入れるカード(鉱山(5)、探検家(5)、不正利得(5)など)はこれまでにもありましたが、その二つを同時に行うカードは初めてです。
その効果は、廃棄置き場に財宝カードがなければ意味がなく、逆に金貨や白金貨などの高コストカードがあるときは強力になります。ではその強力になるような状況はどうすれば作れるのか。

以前にも書いた通り、Treasurer戦において考えるべきことは、Treasurerを自分だけが使うのか、あるいは他にも使う人がいるのかという点です。前者であるときだけ成立する状況と、後者でも成立するものに分けて考える必要があります。つまり廃棄置き場に金貨を置きっぱなしにして次のターンを待っても平気かどうか。



  • Treasurerを自分だけ使う場合:

改築(4)で廃棄した金貨を次ターンにTreasurerで回収するとか、偽造通貨(5)にあてて回収するとか、金貨を廃棄することに意味があるデッキを作れば、Treasurerはそのいい相方になってくれるでしょう。あるいはある程度引き切りできるデッキを作ってからは、豊穣の角笛(5)とあわせて8種類揃えて属州獲得し、廃棄した豊穣の角笛を次ターンにTreasurerで獲得、すぐにまた8種類で廃棄する、というループを作ることができるでしょう。

  • Treasurerを他のプレイヤーも使う場合:

弟子(5)で金貨や白金貨を廃棄して大量ドロー後、同じターン中にTreasurerで即回収すれば無駄がなく、また他のプレイヤーのTreasurerにその財宝カードを取られることもありません。
弟子の代わりに、「遅い弟子」という異名で有名(?)な、Research(4)でも代用できます。

また、廃棄置き場に財宝カードが銅貨だけあって、手札が採集者(3)・Treasurer・銀貨・銅貨・属州であるとき、採集者で銅貨廃棄(1金)→Treasurerで銅貨回収→銀銅プレイや、あるいは採集者をプレイせずにTreasurerだけプレイしても7金にしかなりません。ここは銀貨を廃棄(2金)→Treasurerで銀貨を回収→銀銅をプレイとしましょう。これでちょうど8金になります。

ドミニオン秋の陣2ndに参加してきました

ドミニオン非公認大会】11/10(土) ドミニオン秋の陣2nd
https://atnd.org/events/101313


春は春の陣、夏は日本選手権、秋は秋の陣があるなんて、ドミニオンプレイヤーは幸せですね。


さて秋の陣は今回で2回目。今回もまたスタッフが全員プレイヤーでもある形式でありながら、流れるように進行される大会でした。あれだけの人数をまとめた大会が手弁当でできるなんて、凄いことですよ。
あっという間に2週間が経過し、今さら感がありますが、以下レポを。


なおここで一つお詫びが。毎回「〜の陣」ではルール上の問題が起きたときに裁定やルール解説をする役目を仰せつかっているのですが、今回もその役割を果たしたところ、あとから調べたら間違ったことを言っていたことが発覚しました。

1点目は支配(6ポ)中のトークン獲得について。最新ルールではこちら(http://d.hatena.ne.jp/hirotashi-domi/20180508)にある通り「負債トークンのみ支配者が得る」に変更されたのですが、それよりひとつ古いルールの方を主張してしまいました。実際には2回戦の「錬金術+繁栄」で支配を扱うサプライにVPトークンを得るカードは含まれなかったため問題なかったのですが。

2点目は工匠(5)でヴィラ(4)を獲得したらどうなるかについて。マイクを使ってまで「山札の上に置く」と言ってしまったのですが、実際にはヴィラは行先上書きルールの例外でした(http://ssly-seesaw.hatenablog.com/entry/2017/10/30/074856)。この「行先上書きルール変更」についてもそもそもあまり有名ではない話ですが、さらにその例外処理というものだったため当日は何の指摘もありませんでした。


以上2点について、この場でお詫びいたします。今後はキチンと調べてから発言するようにしようと思います。




さて、以下5回戦のレポになります。

===

1回戦:

秘密の部屋(2) 原住民の村(2) 真珠取り(2) 前駆者(3) 貧民街(3)
役人(4) 玉座の間(4) 密猟者(4) 橋(4) 探検家(5)

初手4-3でどうするか。
原住民の村で橋と玉座の間を溜め、一気にビッグブリッジを狙う、所謂「原住民の橋」*1が狙える。ならば初手を橋-原住民の村としたいが、しかし2周目でもう1枚の橋と玉座の間も入れておきたい。橋の枚数で負けるのは嫌だ。というわけで橋-銀貨で入ると、第3ターンに橋と銀銅銅銅を揃えて「6金2buy1金値引」を達成。ここで狙い通りに橋と玉座の間を入れて勝ったと思った。第4ターンに原住民の村。
その後は橋と玉座の間と、原住民の村を入れつつ3周目を消化。4周目に入ったところで3山が見えてきたため公領を買うと他のプレイヤーもつられて公領に。しかし対面は原住民マットに厚く厚くカードを重ね、最後に爆発させて逆転していた。
自分はというと、リードしているという思い込みから玉座の間+橋で公領屋敷屋敷と買えるところを公領真珠取り真珠取りと買ってしまう(3山加速)こと2回。他に捲られて4位。他社とのデッキ評価ができていなった。
いや、そういう問題じゃない。そもそも原住民の橋の作り方がわかっていないんだ。原住民の村による「圧縮」はやるなら2周目から行うべきだし、2周目に橋を打って原住民の村の枚数も確保する必要があったのだ。小爆発で公領買ってる場合じゃないし、買うならせめて公領屋敷屋敷の5点を見るべきだ。

2回戦:

変成(ポ) 薬草商(2) 借金(3) 賢者の石(3ポ) 大衆(5)
投機(5) 支配(6ポ) 拡張(7) 宮廷(7) 行商人(8*)

3-4で2番手スタート。
まずは大衆を買いたい。つまり2周目で5金を出せる初手を取りたいが、借金も欲しい。借金と投機は大衆を打たれて山の上に貯まった緑を除去する効果があるからだ。しかし初手で借金を入れると2周目で5金出ない可能性を覚悟しないといけない。
悩んでいると1番手がいきなり初手大衆。ならば仕方ないと借金を買い、2周目に銀貨を買おうとしてふと悩む。ここでポーションじゃないだろうか。普段は使えない使えないと言っている変成を買って、屋敷を金貨にするべきなんじゃないだろうか。
変成が弱いのはその遅さによるものだが、借金打ったり大衆打たれたりするゲームでは嫌でもデッキは回る。その分展開は運任せになるものの、変成や金貨が入るのも普通にプレイするより早くなるんじゃないだろうか。後から大衆を追いかけるよりも可能性があるんじゃないだろうかと考えてポーションを買い、シャッフルして3ターン目に4金で銀貨。4ターン目に借金を見てポーションを見ていない。その沈んだポーションはもちろん大衆によって落とされ、シャッフルしてから打った借金は今買ったばかりの銀貨をめくる。その後買った変成は、初めて手札に来た時には屋敷と揃わない(ポーション廃棄→2枚目の変成獲得、とした)。結果ゲーム終了までに屋敷廃棄は1度しか成功せず、白金貨を買う前にゲームは終了していた。4位。
うん。もう二度と変成買わない。

3回戦:

岐路(2) 村落(2) 移動動物園(3) 遊牧民の野営地(4) 交易人(4)
シルクロード(4) 官吏(5) 厩舎(5) 道化師(5) 品評会(6)

村落と移動動物園があるなら、これで3ドローを繰り返すゲームなのかな、と思ったのが間違いだったようだ。
初手銀貨-遊牧民の野営地から、3ターン目の5金2buyを狙い通り村落と移動動物園購入としたのだけど、次の5金が遠かった。パーツ集めは道化師に任せるべきだった。
下家のかもさんは初手遊牧民の野営地による40%チャレンジを成功させて道化師先打ち。他に銅貨を配りつつパーツを集め、品評会点を挙げる手数を稼いでいた。なんだよこれって収穫祭という拡張が出てすぐに習う基本戦術じゃないか。なぜ忘れてしまうのか。
その後も村落と移動動物園を増やすルートを見て、それはそこそこ回るようになったものの、手数としては損だった。そもそも銅貨を増やされたデッキで3ドローしてもさほど嬉しいものではなく。
シルクロードを3点にすることもできず(緑11枚)、4位。

4回戦:

従者(2) 蝋燭職人(2) 医者(3+) 隠遁者(3) 城塞(4)
広場(4) 建て直し(5) 略奪(5) 熟練工(5) 狩場(6)

従者を廃棄すれば略奪を取れるな、と思い、初手従者-隠遁者。第3ターンに5金出して建て直しを買う。狂人から医者過払いでデッキ整理。隠遁者で銀貨を取り続けていると普通にお金が出るようになったのでステロ風に回し、8金が何度も出たので勝てた。1位。建て直しは沈み続けたのと略奪で落とされたのとで1回しか打てなかった。

5回戦

騎士見習い(2) 陣地(2)/鹵獲品(5) 呪いの森(5) ワイン商(5) 掘出物(5)
遠隔地(5) 御守り(5) 庭師(5) 資料庫(5) 大君主(8d)
寄付(8d) 列柱

4番手。
寄付があるので騎士見習いが3ターンでヒーローになる。ヒーローで毎ターン金貨をもらえればそれだけでいいな、と思ったのだけど、その3ターンが無駄だった。掘出物でよかった。
銀→銀→銀→寄付→(返済)→掘出物、と辿ればあとは属州か公領だけ買えばよい。みんながそれに向かえば庭師も鹵獲品も意味を持たないままゲームは終わる。そして終わった。4位。


終わってみれば4-4-4-1-4というひどすぎる成績に。これはどこかで自分を鍛えなおす必要がある気がします。東ドミにも復帰しようかしら。


優勝は圧倒的な強さを見せたFerryさん(http://zferry.hatenablog.com/archive/2018/11/11)でした。おめでとうございます。
そして運営の皆様、毎回ありがとうございます。ちらっと聞いた「今度は夜の陣か」という話、実現を期待しております。

*1:出典:ドミニオンレシピ 海辺編

Treasurerがぼくのこころをなやませる

Treasurer

アクション コスト5


+3金
1つ選ぶ:

  • 手札から財宝カードを1枚廃棄する
  • 廃棄置き場から財宝カードを1枚獲得して手札に入れる
  • Keyを得る

Key
Artifact


ターンの開始時、+1金

Treasurer(5)ですが、ドミニオンというゲームで使われる数あるカードの中で、悩ましさで言えばトップなんじゃないでしょうか。
その悩ましいポイントについてまとめてみました。なので以下の文は、特にTreasurerの使い方とか戦術指南みたいなものではありません。ただただ、あー悩ましいなーと書くだけです。


  • そもそも買うべきか悩む

いくら3金出るからと言って、アクション権はいろいろ他の事にも使いたいわけです。序盤でするっと6金出たとき、金貨でもいいところをわざわざTreasurerを買うべきでしょうか。
ところが買わずにいると、対戦相手にいいようにされてしまいます。Keyはずっと独占され、廃棄置き場の銅貨は一人で使い放題です。Treasurerの3金と廃棄置き場から獲得した銅貨の1金、さらにKeyから得られる1金を合わせて5金出せるのが一人だけなんてさすがに許せません。こちらも買うことで、相手も悩ませる必要があるでしょう。

  • 3つの選択肢で悩む

廃棄するのは当然銅貨ですし、その後廃棄置き場から拾ってくるのも当然銅貨、と考えると、Treasurerをプレイしたときの3つの選択肢はそれそれ上から、+2金・+4金・+3金相当にあたります。

Treasurerと銅貨2枚を持つとき、

  • 銅貨を廃棄すれば4金
  • 廃棄置き場から銅貨を拾えば6金
  • Keyを得れば5金

一番上はつまり金貸し(4)であり、一番下はその後毎ターン+1金を予約するという意味では宝物庫(5)のようです。さて序盤で、上のように4金にも6金にもできるという状態が一番悩ましいときだと思うんですが、さてどれを選ぶべきなんでしょうか。早いうちに銅貨圧縮はしたいけど、早いうちに金貨獲得だってしておきたいし、それよりKeyだって欲しいわけですよ。


  • 廃棄置き場の銅貨の枚数で悩む

Treasurerの強いところは、それ単体で4金、Keyも合わせれば5金出せるというところです。しかし廃棄置き場に銅貨がなくなってしまってからはそうもいかず。
ではどの程度序盤に銅貨を廃棄しておくべきなのか、中盤あたりではもうやめておくべきなのか。点数でリードしているなら次の自分のターンの分も考えて貯めておくべきなのかもしれませんし、1周の間にどれだけ「残り弾」が消費されるのかの予想次第だったりしますし。


  • Keyの持ち主で悩む

例えば4人戦で、みんなデッキにTreasurerを入れている状況ではKeyの持ち主がクルクルと変わりますが、当面勝利点を競っている相手が上家(右隣)だとしたとき、そのプレイヤーが持っているKeyは奪うべきなんでしょうか。自分で奪わなくても残りの2人に奪う気があり、この1周で奪うつもりなのであれば、ここで自分が奪ってもすぐに取られるため意味がありません。ならば他の選択肢を選ぶべきかとも思うんですが、他の二人が「奪ってくれる」保証がない以上、「お仕事」は自分が引き受けるべきなんでしょうか。

ドミニオン 〜Renaissance〜 マニュアル公開

Dominion: Renaissance

http://riograndegames.com/Game/1334-Dominion-Renaissance

いよいよRenaissanceのマニュアルが、つまりは全カードが公開となりました。上のリンク先の右上のボタンからダウンロード可能です。


ちょっと時間がないなか、がんばって訳してみました。以下既に公開済みのカードもあわせ、全カードとなります。





Acting Troupe
アクション コスト3


+4Villagers
このカードを廃棄する

Border Guard
アクション コスト2


+1アクション
山札を2枚公開する。1枚を手札に入れ、もう1枚を捨てる。この両方のカードがアクションカードであれば、HornかLanternかHornを得る。

Horn
Artifact


1ターンに1度、Border Guardを場から捨てる時、それを山札の上に置いてもよい。

Lantern
Artifact


あなたのBorder Guardは3枚を公開して2枚を捨てる。
(この3枚がすべてアクションカードであれば、Hornを得る。)

HornやLanternが得られる効果を除いても、相当強いと思います。そして2枚のアクションカード公開に成功したときどちらを得るか、悩みどころです。
ところでマニュアルによれば、山札が少なくて公開するに十分なカードがないときはHornやLanternを得られないとありますが、それよりもLanternを得ているときに山札が2枚しかないときは、2枚公開して1枚を手札に入れて1枚を捨てる?それとも2枚とも捨てる?
Lanternの効果を素直に読めば後者な気がするんですが・・・

Cargo Ship
アクション 持続 コスト3


+2金
1ターンに1度、あなたがカードを獲得したとき、それを表向きに脇に置いてもよい(このカードの上に)。
次のターンの開始時、それを手札に入れる。

玉璽(5)のような効果ですが、あちらは次のターンに手札5枚、こちらは6枚ですからかなり違います。一応Cargo Ship1枚につき乗せられるのは1枚しかないとか、玉璽に劣る面もありますが・・
脇に置かなかったときは、このカードは持続しないようです。

Ducat
財宝 コスト2


+1Coffers
+1購入
−−−
このカードを獲得したとき、手札から銅貨を廃棄してもよい。

Experiment
アクション コスト3


+2カード
+1アクション
このカードをサプライに戻す。
−−−
このカードを獲得したとき、もう1枚Experimentを獲得する(これによってさらにもう1枚獲得することはない)。

マニュアルによれば、はみだし者(5)や大君主(8d)をExperimentとしてプレイしたとき、Experimentではなく、それぞれ自身のサプライに戻るとのことです。場から離れたときにもとに戻るということは、場からサプライに移動している間に「あ、俺Experimentじゃなくてはみだし者だった!」と気付くイメージなんでしょうか。

Flag Bearer
アクション コスト4


+2金

    • -

このカードを獲得または廃棄したとき、Flagを得る。

Flag
Artifact


手札を引くとき、+1カード

「前哨地(5)での追加ターンでは3枚でなく4枚」とマニュアルにもあることから、やはりFlagはクリンナップフェイズの手札を引く時だけに関与するようです。
ところで4人戦で、詐欺師(3)をプレイし、他の3人が全員Flag Bearerを公開したら、やはりFlagは3番目にFlag Bearerを廃棄された人、つまり右隣の人のものになるんでしょうね。

Hideout
アクション コスト4


+1カード
+2アクション
手札を1枚廃棄する。
それが勝利点カードであれば、呪いを獲得する。

え?


手札強制廃棄の村。ドミニオンにおいて、手札1枚を廃棄するカードはだいたい何かメリットがあるものだったじゃないですか。金貸し(4)や採集者(3)はコインが出るとか、改築(4)系はカードを獲得できるとか。引揚水夫(4)や弟子(5)なんかもありましたが、こちらは廃棄したことに対して何もメリットがないどころか、屋敷廃棄で呪い獲得ですって。一応その呪いを廃棄することもできますが、2手かけてやっと1枚廃棄とは。
避難所戦とか、廃墟が撒かれるゲームであればいいんでしょうかね。あるいは望楼(3)を手に持っているとか。


Improve
アクション コスト3


+2金
このターンのクリンナップフェイズの開始時、場からアクションカードを捨てようとするとき、その1枚を廃棄し、コストが1高いカードを獲得してよい。

場にあるカードを高コストカードにする、といえば行進(4)のようです。他にアクションカードがなければImprove自身を選択することもできますし、終盤は宮廷(7)を属州にしたり。


Inventor
アクション コスト4


コスト4までのカードを獲得する。
このターン、カードのコストは1下がる(ただし0未満にはならない)。

工房(3)+橋(4)。もちろん重ね掛けすれば2枚目では実質コスト5のカードを獲得できます。ただし要アクション権。
そして値下げと言えばbuyが欲しいところですが、この橋にはそれがありません。他で用立てましょう。

Lackeys
アクション コスト2


+2カード
−−−
このカードを獲得したとき、+2Villagers

その2つのVillagersをこのカードに使うことを考えれば、つまり2回まで研究所(5)、それ以降は堀(2)になると思えば、なかなかお買い得じゃないでしょうか。

Mountain Village
アクション コスト4


+2アクション
捨て札置き場を見て、そこからカードを1枚手札に入れる。これができないとき、+1カード。

Old Witch
アクション アタック コスト5
+3カード

他のプレイヤーは呪いを獲得し、手札から呪いを廃棄してもよい。

魔女(5)も歳を取ると3枚引けるようになりました。
受ける側としては、打たれたときに手札に呪いを持っている方がいい、と聞くと香具師(5)のようですね。そして呪いが枯れたあとはただ相手の手札の呪いを廃棄してあげる、利敵行為のカードに。
マニュアルによれば、堀(2)を公開すると、呪いを獲得することも廃棄することもできなくなるようです。

Patron
アクション リアクション コスト4


+1Villager
+2金
−−−
このカードを(「公開する」という効果で)公開したとき、+1Coffers

リアクションにもいろいろありましたが、とうとう「公開」に反応するリアクションカードが登場しました。あれとか、あれとか・・・
一番「公開」しやすいカードってなんでしょうね。狩猟団(5)ですかね。


Priest
アクション コスト4

+2金
手札を1枚廃棄する。
以降、このターン中、あなたがカードを廃棄するたびに、+2金。

後半の効果、反応するのは「あなたのカード」である必要はありません。つまり大地への塩まき(4)などでサプライのカードを廃棄したときでも。一方海賊船(4)などで相手のカードを廃棄したときは「相手に廃棄させた」ので対象になりません。


Recruiter
アクション コスト5


+2カード
手札を1枚廃棄する。そのカードのコスト1金につき+1Villager

Research
アクション 持続 コスト4


+1アクション
手札を1枚廃棄する。
そのコスト1金につき、山札から1枚を裏向きに脇に置く(このカードの上に)。次のターンの開始時、それらを手札に入れる。

例えば屋敷を廃棄すると、次のターンは手札7枚からスタート。つまり次のターンの手札に研究所が2枚入っているのと同じに。

Scepter
財宝 コスト5


このカードをプレイしたとき、1つ選ぶ:
・+2金
・このターンにプレイされた、場にあるアクションカードをもう1度プレイする。

噂の「購入フェイズにアクションカードをプレイする方法」のひとつですね。その選ぶカードによって強さが変化しますが、ちょっと考えるだけでも、香具師(5)をさらに打つとか、鍛冶屋(4)でドローして2金以上を引いてくることに賭けるとか。あるいは書庫(5)系なら、、財宝の中でも最後にプレイすることで引けるカードがさらに増えますね。

Scholar
アクション コスト5


手札を(すべて)捨てる。
+7カード

Sculptor
アクション コスト5


コスト4以下のカードを獲得して手札に入れる。それが財宝カードであれば、+1Villager

Seer
アクション コスト5


+1カード
+1アクション
山札を3枚公開する。このうちコストが2以上4以下であるカード(すべて)手札に入れ、残りは好きな順で山札の上に戻す。

Silk Merchant
アクション コスト4

+2カード
+1購入

    • -

このカードを獲得または廃棄するとき、+1Coffers、+1Villager

Spices
財宝 コスト5


+2金
+1購入
−−−
このカードを獲得したとき、+2Coffers

これ自体は単なるbuyの増える銀貨ですが、肉屋(5)と同じく2Coffersを得られるカードであります。5金で買うのももったいないので、何かしらの方法で楽に獲得したいものですね。鉱山(5)とか?

Swashbuckler
アクション コスト5

+3カード
捨て札置き場にカードがあれば、+1Coffersを得て、Coffersを4つ以上持つならばTreasure Chestを得る。

Treasure Chest
Artifact

購入フェイズの開始時、金貨を獲得する。

Treasurer

アクション コスト5


+3金
1つ選ぶ:

  • 手札から財宝カードを1枚廃棄する
  • 廃棄置き場から財宝カードを1枚獲得して手札に入れる
  • Keyを得る

Key
Artifact


ターンの開始時、+1金

Villain
アクション アタック コスト5


+2Coffers
手札を5枚以上持つ他のプレイヤーは、手札からコスト2以上のカードを1枚捨てる。または手札を公開してそれが出来ないことを示す。

Academy
Project コスト5


あなたがアクションカードを獲得する時、+1Villager

Barracks
Project コスト6


あなたのターンの開始時、+1アクション

Canal
Project コスト7
あなたのターン中、カードのコストは1下がる。ただし0未満にはならない。

Capitalism
Project コスト5


あなたのターン中、「+○金」とあるアクションカードは財宝カードでもある。

おもしろい。
こちらも「購入フェイズ中にアクションカードをプレイする方法」のひとつです。「+○金」とさえ書いてあれば、実際には仮装コインを生まなくても構いません。鉄工所(4)でも、サプライが枯れていないときの都市(5)でも。
もちろん財宝カードなのでプレイにアクション権は必要なく、例えば手札の民兵(4)を4枚プレイして8金出せます。
そしてこの効果は「購入フェイズ中」だけではなく「あなたのターン中」であるため、いろいろ悪巧みできそうですね。鉱山をほぼ拡張(7)のように使ったり、造幣所(5)で好きなカードをコピーしたり、泥棒(4)や海賊船(4)で相手のアクションカードを廃棄できることをお忘れなく(!)。

Cathedral
Project コスト3


あなたのターンの開始時、手札を1枚廃棄する。

Citadel
Projects コスト8


各ターンでアクションカードを最初にプレイするとき、その後もう一度そのカードをプレイする。

City Gate
Project コスト3


あなたのターンの開始時、+1カード、
手札を1枚山札の上に置く。

つまり6枚の手札から好きな5枚を選べるわけです。金量調整の他、秘術師(5)や家臣(3)にも。

Crop Rotation
Project コスト6
あなたのターンの開始時、勝利点カードを1枚捨ててもよい。そうした場合、+2カード

Exploration
Project コスト4


あなたの購入フェイズの終了時、カードを購入していなければ、+1Coffers、+1Villager

例えば初手4金でExplorationを購入すると、そのターンに即1Coffersと1Villagerがもらえます。

Fair
Project コスト4


あなたのターンの開始時、+1購入

Fleet
Project コスト5


ゲーム終了後、これを持つプレイヤーのみ、追加の1ターンを得る。

マニュアルによれば、
・追加ターンの順序は通常通りその直前のターンを終えたプレイヤーの左隣のプレイヤーから。
・Fleetによって得られた追加ターンの後、(前哨地(5)などで)さらに追加ターンは得られない。
・Fleetによって得られた追加ターン中、(大使(3)などで枯れた山が元に戻るなどして)ゲーム終了条件を満たさなくなったとしても、ゲームは終了する。
とのことです。

Guildhall
Project コスト5


あなたが財宝カードを獲得する時、+1Coffers

不正利得(5)が実質3金に。掘出物(5)が4金に。物乞い(2)が6金に。あるいは鉱山や探検家(5)や・・・


Innovation
Projects コスト6
各ターンでアクションカードを最初に獲得したとき、そのカードを脇に置く。そうした場合、それをプレイする。