ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

Plunder 全カード公開 その1 王国カード

先週のプレビューのあと、今週にはもうオンラインで全カードが遊べるようになり、マニュアルも公開されました。

https://www.riograndegames.com/wp-content/uploads/2022/08/DomPlunder.pdf

 

 

というわけで、今回も全カードについて書いてみましょう。多すぎるので今日は王国カードのうちプレビューで未発表だった20種について。

 

Cage(檻)
財宝-持続 コスト2


手札を4枚まで裏向きにして脇に置く(このカードの上に)。次にあなたが勝利点カードを獲得したとき、これを廃棄し、ターン終了時に脇に置かれたカードを手札に入れる。

序盤は礼拝堂(2)感覚でデッキから4枚まで一時的に排除し、終盤に属州を買うとそれらが戻ってくるというもの。

1度しか使えないため、たいていは手札の中で一緒になるカードに銅貨が少なく屋敷が多い方がいいわけですが、銅貨多めでも「戻ってきた」ときに金量が出ると考えるといいのかもしれません。

 

Grotto(ちいさな洞穴、岩屋、鍾乳洞)
アクション-持続 コスト2


手札を4枚まで裏向きにして脇に置く(このカードの上に)。次のターンの開始時、それらを捨て、同じ枚数山札を引く。

こちらも同じく4枚まで脇に置くものの、置いた枚数だけ次のターンの手札を増やせるというもの。1ターン犠牲にする代わりに次にビッグターンを作るという意味では策士(5)っぽいですね。

 

Search(捜索、調査)
アクション-持続 コスト2


次にサプライの山が1つ空になったとき、これを廃棄し、Lootを獲得する。

数枚を持続させておき、「そのとき」が来たらその分だけLootを得る、という使い方になるでしょうか。ならばもちろん、サプライに枯れそうなカードがあるか、あるいは自ら枯らしにいくカードがあるときにこれも買うということになりそうです。

なお、玉座の間(4)でこれを2度プレイしたとき、これが場に残っている間は玉座の間も残り続け、これを廃棄したときはLootを2枚獲得します。

 

Cabin Boy(船室給仕、キャビンボーイ)
アクション-持続 コスト4


+1カード
+1アクション
次のターンの開始時、1つ選ぶ:
・+2金
・これを廃棄し、持続カードを獲得する。

キャントリップで次のターンに+2金ということは、数枚を連打すれば次にビッグターンを作れますし、それらを2組作って交互に打てばループも作れそうです。

そして持続カードの獲得効果の方は、これ自体がコスト4であること、また獲得が次のターンの開始時と遅いこと、他に欲しい高コストの持続カードがあるかがわからないこと(あっても5コストなら+2金を選んで、5金で買った方がいいのでは?)、そしてこれ自体がキャントリップなので邪魔にならず、廃棄するには惜しいことを考えると、ほとんど選ばれることはないんじゃないでしょうか。雇人(6)でもあれば別ですが。

 

Crucible(るつぼ)
財宝 コスト4


手札を1枚廃棄する。そのコスト1につき+1金。

つまり購入の増えない引揚水夫(4)。財宝カードなのでタダで打てるのはいいんですが、屋敷と出会わなければ、あるいは屋敷を廃棄し終わって銅貨を廃棄すると何も得られないため、中盤以降の使い方が難しいカードです。購入が増えれば、終盤に属州の空廃棄に使ったりできるんですが。

 

Fortune Hunter(富探し)
アクション コスト4


+2金
山札の上から3枚を見る。そこから財宝カード1枚をプレイし、残りを好きな順で戻す。

笑っちゃうくらい強いですねこれ。ほぼ+3金以上は確定するので。

なお引いた財宝カードは手札に入らず、直接プレイされます。アクションフェイズ中に財宝カードをプレイする方法がまたひとつ増えました。悪いことができそうですね。

 

Gondola(ゴンドラ、平底船)
財宝-持続 コスト4


現在か、次のターンの開始時、+2金
---
これを獲得したとき、手札からアクションカードをプレイしてもよい。

横線の下に「あなたのターン中~」とは書いてませんから、またひとつ「自分のターン中以外にアクションカードをプレイする方法」が生まれたことになりますね*1

それはともかく、普通に考えれば購入フェイズにこれを買い、手札のアクションカードをプレイする方がメインの使い方でしょう。購入フェイズ(の第2パート)にプレイしたいアクションカードと言えば主に持続カードですから、「打てなかった持続カードを持っているときに買う」という展開になりそうです。

そしてプレイしたときの効果ですが、現在を選んだ場合は場に残らず、これを冠(5)などで複数回プレイしたとき、そのうち1回でも「次のターンの開始時」を選んだなら場に残ります。

 

Harbor Village(港の村)
アクション コスト4


+1カード
+2アクション
このターン、次にプレイするアクションカードが金量を生むとき、+1金

たまにバザー(5)になる村(3)。村からつなげるコンボで、アクションカードの打つ順番っていろんな都合があるため、そんなに自由にならないんですよね。

Harbor Village→民兵→鍛冶屋の順で打てば+1金出るけど、Harbor Village→鍛冶屋→民兵の順で打てば出ない。とは言えこの順で打ちたいわけで。

 

 

Mapmaker(地図製作者)
アクション-リアクション コスト4


山札の上から4枚を見る。そのうち2枚を手札に入れ、残りを捨てる。
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いずれかのプレイヤーが勝利点カードを獲得したとき、あなたはこのカードを手札からプレイしてもよい。

ほとんどの場合、冒険者(6)より強いんじゃないの?と思うほど強い上にリアクション効果まで付いてくる。リアクション時にMapmakerでMapmakerを引ければそれもリアクション可能なので、手札はどんどん増えることに。

そのリアクションの契機は自分でもいいので、工房で屋敷獲得という、普段ならあまりやらないプレイも視野に入ります。どうせデッキに混じった屋敷はMapmakerでスキップできますし。

 

Maroon島流し
アクション コスト4


手札を1枚廃棄する。そのカードが持つタイプ1つにつき+2カード。

環境次第なカード!と思ったら、普通の環境で屋敷や銅貨を廃棄して+2カードするだけでも、順番が逆なだけで仮面舞踏会(3)と同じと考えれば強いと思います。

ところで、草茂る屋敷(1)を廃棄すると5ドローですね。2周目に狙いたいです。

 

Crew(乗組員、乗務員)
アクション-持続 コスト5
+3カード
次のターンの開始時、このカードを山札の上に置く。

追いはぎ(5)に続き、次のターンの開始時に場から離れる持続カードがまたひとつ。しかしこちらは山札の上なので、何もしなくても2ターンに1回打てる鍛冶屋(4)ですし、手札に村があれば引いて即打ちしてまた戻るという効果。いわゆる普通の村鍛冶屋と比べ、鍛冶屋をCrewにすれば枚数少なめで回りますね。

 

Cutthroat(人殺し、殺人者)
アクション-持続-アタック コスト5


他のプレイヤーは手札が3枚になるまで捨て札する。
次に誰かがコスト5以上の財宝カードを獲得したとき、Lootを獲得する。

民兵(4)効果だけど+2金は出ず、このターンに自分は何も得せず、そして「誰かがコスト5以上の財宝カード獲得」するまで場に残るという、それほど働きどころのないアタックカードという印象です。

一応Loot自体がコスト7なので、誰かがこれでLootを獲得することで全員の場にあるこれが反応することになりますね。海賊(5)のようです。

 

Enlarge(増補、増大、建て増し)
アクション-持続 コスト5
現在と次のターンの開始時、手札を1枚廃棄し、それよりコストが最大2高いカードを獲得する。

2回使える改築(4)。そしてその効果は強制ですから、次のターンの開始時に廃棄したいカードがなかったり、ハンデス食らってたりすると困ります。

金貨やLootが多く入っているデッキなら、これ1枚のプレイでそれらを2回属州に変えて12点獲得、と考えれば強いんでしょうか。

 

Figurine(小立像、小像、置物)
財宝 コスト5


+2カード
手札からアクションカードを1枚捨てれば+1購入、+1金

ドローする財宝。

これまで財宝カードにドロー効果を持つものがなかったのは、それでアクションカードを引いても無駄になるから、と思っていたんですが、これで引いても無駄になるわけではありません。

それでなくても購入フェイズにアクションカードをプレイする方法が増えたわけですから、雑に使ってもそこそこ強いんじゃないでしょうか。ただコスト5は高いと思います。

なお、捨てられるアクションカードはFigurine1回のプレイにつき1枚だけ。Figurineを数枚プレイすればそれだけ増えますが、捨てるタイミングはFigurineのプレイ1回ごとに1回、です(4ドロー後に2枚捨てることはできない)。

 

Frigateフリゲート艦、護衛艦、快速帆走軍艦)
アクション-持続-アタック コスト5


+3金
次のターンの開始時まで、他のプレイヤーがアクションカードをプレイしたとき、その後そのプレイヤーは手札が4枚になるまで捨て札する。

ひどいアタック。手札増加が許されなくなります。キャントリップでも1枚捨てることに。ただし「アクションカードをプレイ」以外の方法で手札が増える分には構わないため、呪いの森(5)や悪人のアジト(5)でのドローは許されます。

そして珍しく、持続アタックであるにも関わらず次のターンには何も得することがありません。

 

Longship(ロングシップ、長蛇号)
アクション-持続 コスト5


+2アクション
次のターンの開始時、+2カード

なんだかすんごい微妙。少なくとも船着場(5)よりは弱いと言っていいんでしょうが、これが役立つ局面もあるような、ほとんどないような。

 

Pilgrim(巡礼者、霊場参拝者、放浪者)
アクション コスト5


+4カード
手札を1枚山札の上に置く。

中庭(2)のドローが1枚増えただけなのに、コストは2から5に。それでも強いのは、つまりもともと中庭が安すぎたんですね。

試しにこれ2枚で回してみたところ、属州4または属3公2を買うまで、13.1ターンと出ました(今日の一人回し)。

 

Quartermaster(需品係将校、操舵員)
アクション-持続 コスト5


このゲーム中、以降すべてのあなたのターンの開始時、1つ選ぶ:
・コスト4までのカードを獲得し、脇に置く(このカードの上に)。
・このカードの上のカード1枚を手札に入れる。

チャンピオン(6*)や雇人のような永久持続!

その効果は、原住民の村(2)のようにためてためて一気に爆発させるもの、かと思ったらためるのも手札に入れるのも1枚ずつと遅いため、それほど大したことは期待できないようです。

なおこれを2枚持続させたとき、それぞれについて処理するため、脇に置いたカードは2山できることに。

 

Silver Mine(銀山)
財宝 コスト5


このカードよりコストの低い財宝カードを1枚、手札に獲得する。

通常なら銀貨、環境によってはほかの強い財宝カードを獲得できるわけですが、ではそれは何なのか。Gondolaくらい?

 

Trickster(ペテン師、トリックスター
アクション-アタック コスト5


他のプレイヤーは呪いを1枚獲得する。
このターンに1度、あなたが場から財宝カードを1枚捨てるとき、それを脇に置いてもよい。このターン終了時にそれを手札に入れる。

今回の拡張の魔女枠。

しかしプレイ時に何も得することはなく(呪い撒くだけという点で海の妖婆(4)のようです)、強い財宝カードを持っているときだけ、それを次のターンにも使えるというもの。逆に言えば、強い財宝カードがなければほぼ意味がなく。

これ、5コストの魔女系のカードのなかでも、相当弱い方なんじゃないでしょうか。

 

 

*1:牧羊犬+チョウの習性とか、牧羊犬+ハツカネズミの習性(工房)とかの話です