ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

地下書庫について、僕たちは何か大きな勘違いをしていたのかもしれない


ドミニオンについて初めて戦術をまとめ、その戦術を定義し、戦術に名前を付けた偉大なる同人誌「ドミニオンレシピ」において、地下書庫というコンボが紹介されていました。
これは初手5-2で書庫(5)と地下貯蔵庫(2)を買い、地下貯蔵庫で手札を回転させて書庫を引いてくるという単純かつ強力なもの。書庫を打ってめくれた地下貯蔵庫はわきに置き、地下貯蔵庫によって減った手札を書庫がカバーするという、お互いのカードが邪魔せず弱いところを補い合う美しい戦術でした。


さて、初手5-2でこれらを買い、第3Tの手札が次のようなものだったとします。


もちろん地下貯蔵庫を打つわけですが、このとき手札を何枚捨てるべきでしょうか。



自分の場合、これまでは序盤であれば書庫を引くことを目指し手札全てを捨てていました。ずっとそれで正しいと思っていたのですが、今日になってそれは間違いなんじゃないかと思えてきたのです。最初のドミニオンレシピを読んでから4年以上が経った今、まさか地下書庫を見直すようになるとは思っていませんでした。




上の局面で、山札7枚の内訳は以下の通り。


ここで手札4枚を捨て、見事に書庫が引けたとしましょう。その書庫を打つと残りの山札全てを引いたところでシャッフルが入りますが、その時の手札は銅貨5枚屋敷1枚。ここから銅貨2枚屋敷2枚をシャッフルして1枚を引くわけですから、6金到達確率はちょうど1/2です。



さて話は戻ります。もし地下貯蔵庫で捨てるのが4枚でなく、銅貨屋敷屋敷の3枚だったらどうでしょう。

山から3枚引き、そこに書庫があった場合、それを打つと残り4枚の山札を引いたところで手札はちょうど7枚になりますが、その7枚は必ず銅貨6枚屋敷1枚。6金到達率は100%となります。

そう、3枚捨てて書庫が引ければ必ず金貨が買えるわけです。



確率をまとめます。地下貯蔵庫で4枚捨てる場合、書庫を引く確率は4/7。そこから6金出る確率は1/2ですから、結果2/7=28.57%。
一方3枚捨てる場合。書庫を引ければ6金に到達し、その引く確率は3/7=42.85%。3枚捨ての方が優っていることがわかります。



3枚捨てが更にいいのは、見事金貨が買えたときにその金貨と書庫を含めたデッキ13枚全てをシャッフルして山札を作れること。4枚捨てでは金貨が買えてもそうでなくても、書庫を打ったあとは最初に捨てた4枚のうち3枚からなる山札から手札を作る必要があります。

その差はわずかかもしれませんが、「地下書庫での地下貯蔵庫は手札全部捨てるべき」というのは誤りであったという事に気付けた。それだけでも価値はありました。まさか今になって。



残念なのは、205種類の王国カードからランダムで選ぶ現在のスタイルではいったいどれだけの確率でこの居面に出会えるかのかということ。基本セット25種だけで遊んでいたあの頃に気付いていたのなら、確率のわずかの差のおかげで勝てたという経験が出来たかもしれません。