ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

ドミニオン〜異郷〜カードレビュー その5

異郷のカード内容が公開されてもう2週間ほど経ってしまいましたが、遅ればせながら残る18枚のカードのレビューを。

Duchess
公爵夫人

アクション コスト2
+2金
あなたも含め、全てのプレイヤーは山札から1枚を公開する。
それを捨てるか山札の上に戻すか、それぞれが決める。
−−−
あなたが公領を獲得したとき、公爵夫人を獲得してもよい。

抑留(2)のように、2金で買えて2金出すカード。なので初手5-2で買うといいでしょう。
「山札から公開したカードを捨てるか戻す」を読んだときはコスト2で密偵の効果?と思ったら、それを決めるのはそれぞれのプレイヤーだそうな。なんか意味あるのかしら。
つまり効果としてはアクションを消費する銀貨として考えた方がいいでしょう。たくさんあっても全てを使えなくなるので、公領(5)を買ったときの効果でもらわないときの方が多いんじゃないでしょうか。交易人(4)で銀貨に変えたいところです。

Oasis
オアシス

アクション コスト3
+1カード
+1アクション
+1金
手札を1枚捨てる。

手札を捨てる行商人(8)。あるいはキャントリップがついた、1枚限定の秘密の部屋(2)。
使えば使うほど手札が減り、「捨ててもいいカード」が次第になくなってくるあたり、キャントリップなのに多くは買えないというものになっています。
普通に使っても弱いので、手札を捨てる行為そのものが得となるような状況で使うのがいいでしょう。坑道(3)捨てるのに使うほか、移動動物園(3)の前の手札調整とか、(セコい話ですが)会計所(5)の前に使って1金稼ぐとか。
手札を減らしたいと言えば地下書庫のような使い方がありますが、書庫(5)に対する地下貯蔵庫(2)が優れているのはドローして書庫を引いてくることと手札を減らすことの両方を兼ねている点であって、このオアシスにそれを求めるのはやや役不足ではないかと思います。

Oracle
神託

アクション-アタック コスト3
あなたも含め、すべてのプレイヤーは山札を2枚公開する。
それらを2枚とも捨てさせるか、めくったプレイヤーの好きな順で山の上に戻させるか、あなたが決める。
+2カード

密偵(4)の2倍の効果!と思ったら2枚まとめて捨てるか戻すかを決める必要があり、+アクションもない。落とすかどうか悩むことになりそうです。
そして願いの井戸(3)があるゲームでは打ちづらいですね。

Scheme
画策

アクション コスト3
+1カード
+1アクション
このターンのクリンナップフェイズの開始時、場に出したアクションカードを1枚選んでよい。そのカードが捨てられるとき、それを山札の上に戻す。

アクション2度打ちできるカード。他のアクションカードと併せて使用することが前提、という点では玉座の間(4)に似ていますが、こちらはキャントリップでもあるので手札に単独で来ても別によく、そのまま他のアクションを引かずに終わってもこの画策自身を戻せるという点で優れていますね。逆に劣っている点としては、都合2回打つときにあわせて2アクション必要な点でしょうか。
ルールの話をすると、「そのカードが捨てられるとき」とあるので、そのターンに出した継続カードは選んでも意味がありません。

Tunnel
坑道

勝利点-リアクション コスト3
2点
−−−
クリンナップフェイズ中以外でこのカードが捨てられるとき、このカードを公開してよい。そうした場合、金貨を得る。

こんな簡単に金貨が得られていいんでしょうか。今までの苦労はなんだったのか。
さて、捨てる効果のあるカードは・・・地下貯蔵庫(2)、密偵(4)、冒険者(6)、秘密の部屋(2)、寵臣(5)、見張り(3)、倉庫(3)、航海士(4)、策士(5)、念視の泉(2ポ)、ゴーレム(4ポ)、借金(3)、保管庫(5)、投機(5)、村落(2)、農村(4)、馬商人(4)、魔女娘(4)、収穫(5)、狩猟団(5)、よろずや(4)、オアシス(3)、神託(3)、地図職人(5)、大使館(5)、宿屋(5)、公使(4)。
逆に他のプレイヤーの坑道を捨てさせてしまうカードは、民兵(4)、密偵(4)、泥棒(4)、貢物(5)、拷問人(5)、海賊船(4)、海の妖婆(4)、念視の泉(2ポ)、ならず者(6)、道化師(5)、神託(3)、義賊(4)、辺境伯(5)。結構ありますね。
特に倉庫、寵臣、保管庫あたりと相性抜群でしょう。
夢コンボとしては、策士後のたっぷり手札から地下貯蔵庫で数枚の坑道含め手札全部捨てる→9枚ドロー→地下貯蔵庫で手札全部捨てる→8枚ドロー→・・・で1ターンに坑道を何重にも捨てて金貨どっさり、さらにその金貨をそのターンのうちに引いてきての属州2枚買いというのがありますね。

Jack of all Trades
よろずや

アクション コスト4
銀貨を得る。
山札から1枚見て、それを捨てるか山の上に戻す。
山札から手札が5枚になるまでドローする。
手札から財宝カード以外のカードを1枚廃棄してもよい。

実はこれ、様々なアタックカードに対する対策になるカードです。
山札のトップを捨てられる効果は、役人(4)、海の妖婆(4)、大衆(5)、占い師(3)に、
手札が5枚になるまで引ける効果は、民兵(4)、拷問人(5)、幽霊船(5)、ならず者(6)に、
そして軽圧縮効果は呪いを蒔くカード、特に拷問人(5)に対するアンチカードになるでしょう。

Noble Brigand
義賊

アクション-アタック コスト4
+1金
このカードを買った、または使用したとき、他のプレイヤーは山札から2枚公開し、そこから銀貨または金貨を1枚あなたが選び、それを廃棄する。公開された残りのカードは捨てる。
財宝カードを公開しなかったプレイヤーはどうかを得る。
あなたは廃棄されたカードを獲得する。

金貨銀貨を専門に盗む泥棒(4)。財宝を出せない貧しき者には逆に銅貨を恵むという義賊、ということでしょうか。
+1金も出ますし、庭園プレイでもしてない限り泥棒の上位互換だと思うんですがどうでしょう。白金貨や特殊財宝カードが盗めないという意味で繁栄環境では弱いということになりますが。

Spice Merchant
香辛料商人

アクション コスト4
手札から財宝カードを1枚廃棄してよい。そうした場合、1つ選ぶ。
・+2カード、+1アクション
・+2金、+1購入

財宝を廃棄すれば、研究所(5)か木こり(3)の効果を得る、と。
ただこれ、研究所効果を選んでも手札は増えないし、木こり効果を選んでも(銅貨を廃棄したとして)実質1金の価値しか出ない(劣化金貸し(4)?)となると、そんなに期待しない方がいいと思います。研究所として使ってアクションを減らさない銅貨圧縮と割り切って使うのがいいかと。
あと不正利得を廃棄したいときにはなかなかいいと思います。

Silk Road
シルクロード

勝利点 コスト4
デッキ内の勝利点カード4枚につき1勝利点(端数切り捨て)

これと屋敷以外に安い勝利点カードがサプライにあるかどうかで価値が変わってくるでしょう。特にそれと工房(3)や鉄工所(4)のような、それらを獲得するカードがある時は。その辺は庭園(4)プレイ時と同じですが。

Cache
埋蔵金

財宝 コスト5
+3金
−−−
このカードを獲得したとき、銅貨を2枚獲得する。

不要な銅貨2枚がついてくること以外は金貨と同じ。つまり購入時に望楼(3)や交易人(4)があれば5コストで金貨が買えるというわけですね。
銅貨2枚を獲得したとしても銅貨の処理さえできてしまえ問題ないわけですが、たとえば礼拝堂(2)の強圧縮時に5金出た時、銀貨か埋蔵金のどちらを買った方がいいんでしょう?

Cartographer
地図職人

アクション コスト5
+1カード
+1アクション
山札から4枚見る。そのうち好きな枚数を捨て、残りを好きな順で山札の上に置く。

航海士(4)の効果を読んで、ああこういう感じの効果だったら良かったのになあ・・・という要望を叶えてくれたという印象のカード。
単純に次のターンの手札を良くするという使い方だけでなく、他にドロー系のアクションカードを持っているとき、それによって引けるカードの調整ができるという利点もあります。この辺は真珠採り(2)連打時に似ていますね。
そして2枚以上戻して願いの井戸(3)でそれを引くことも。

Embassy
大使館

アクション コスト5
+5カード
手札を3枚捨てる
−−−
このカードを獲得したとき、他のプレイヤーは銀貨を得る。

強力なドローカード。例えば初手大使館ーパスから始め、3ターン目でこれを使用すれば6金確定。その後も使えば9枚の手札の中にその金貨がほぼ含まれていることでしょう。全員が大使館ステロイドに走ればあっという間に属州が枯れそうです。

Haggler
値切り屋

アクション コスト5
+2金
−−−
このカードが出ている間、カードを購入したとき、あなたはそのカードよりもコストが低く、かつ勝利点カードでないカードを1枚獲得する。

使い方としては、鍛冶屋(4)を買いつつ村(3)をおまけにつけてもらってコンボデッキを構成するとか、勝利点を買いつつもデッキの強さを薄めないでおくとか、でしょうか。
これを使って属州(8)を買い、これの効果で国境の村(6)もらい、その効果で公領(5)もらう、で8金で9点獲得するというのが終盤の強力なコンボでしょう。

Highway
街道

アクション コスト5
+1カード
+1アクション
−−−
このカードが出ている間、全てのカードのコストは1低くなる。

橋(4)にキャントリップがついた!これで原住民の村(2)がなくても大量に連打できる!
ただし橋と違い、+購入はなく、玉座の間(4)を使っても値下げ効果はコピーされません。「狙った」プレイをせずただ単発で打つだけでは実質行商人(8)に過ぎないのです。
じゃあその「狙った」プレイとは何かと考えると、一つはもちろん他のカードの効果で+購入を増やすこと、もうひとつは「コスト○までのカードを〜」という獲得系のカードの獲得範囲を増やすことです。工房(3)で公領(5)が取れるだけでなく、2回打てば鉄工所(4)-大広間(3)プレイのように、鉄工所-貴族(6)プレイというものも可能になります。
そして街道1枚で行商人(8)が3金値引きになることもお忘れなく。街道→街道→何かのアクション、とするだけでタダに。

Inn
宿屋

アクション コスト5
+2カード
+2アクション
手札を2枚捨てる。
−−−
このカードを獲得したとき、捨て札から任意の枚数のアクションカードを選び、それらと山札とシャッフルする。

これまで捨て札の内容を気にするカードとしては会計所(5)がありましたが、いよいよ使用時でなく購入時にも気にする必要が生じたようです。
コンボデッキ時にやりたいコンボを積むこと以外に、魔女(5)のように早く打ったもの勝ちなカードの使用回数を増やすことにも、あるいは山札が少なければ会計所(ついでに銅細工師(4)と獲得したばかりの宿屋も)を積んでも面白いですね。もちろん捨て札から宝の地図(4)2枚拾ってくることも。

Margrave
辺境伯

アクション コスト5
+3カード
+1購入
他のプレイヤーはカードを1枚引き、手札が3枚になるまで捨てる。

1枚引いてから3枚になるまで捨てされられるって、ちょうど議事堂(5)のあと民兵(4)打たれたときみたいですね。
拷問人(5)とどっちが強いか微妙なところですが、それはつまりそれくらいには強いということで。本拡張での最強アタックであることは間違いないでしょう。


Stables
厩舎

アクション コスト5
手札から財宝カードを1枚捨ててよい。
そうした場合、+3カード、+1アクション。

錬金術師(3ポ)、狩猟団(5)に続く研究所(5)シリーズと言ってしまいましょう。1枚使うたびに手札が1枚増えます。
初手で買う研究所が強くないように、ドローカードはデッキ内の平均的な強さが高ければ高いほどそのカード自身も強くなるわけなので、たとえば圧縮してデッキから銅貨がなくなった後の厩舎は強いのか、という話になってきます。
つまりこのカードが本領を発揮するのは引ききりするときでしょう。捨てた財宝カードも最終的に引いてこれるような、引ききりの材料たっぷりのデッキなら。そしてこの厩舎自身も、その引ききりのための強力な材料であるわけです。

Farmland
農地

勝利点 コスト6
2勝利点
−−−
このカードを購入したとき、手札を1枚廃棄し、それよりコストがちょうど2高いカードを獲得する。

勝利点のために買うにはコストが割に合わないので、当然線より下の効果のために買うわけですが。さてなにを改築したらいいやら。
もっとも効率がいいのはこの農地自身でしょう。買ったと同時に手札の農地を属州(8)に変えれば、差し引き+6点。6金で属州が買えたのと同じことになります。つまり農地の買い占めは結構強いわけですが、さて買うタイミングはどのあたりが正しいんでしょうかね。中盤あたりであることは想像できるんですが、同じ値段の金貨を買わずにこちらを買った方がいいと判断できるのはいつなのか、と。
また終盤、手札に金貨3枚があったときはあえて属州を買わず、2枚だけ出して農地を買って残り1枚を属州に買えて計8点獲得するとか、購入時特典目当てに買った国境の村(6)や不正利得(5)を勝利点に変えるとか、6金出たときにこれ買って呪いを屋敷に変えて差し引き4点稼ぐとか、手札の属州を空廃棄して逃げきるとか。普通に勝利点買うよりもさらに何点かを上乗せするプレイは、まるで囲碁のヨセのようです。