ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

アーチンキル問題について


浮浪児
アクション アタック
コスト3

+1カードを引く
+1アクション
他のプレイヤーは全員手札が4枚になるまで捨て札をする。

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あなたのプレイエリアにこのカードがあるときに、他のアタックカードを使用したとき、このカードを廃棄してもよい。そうした場合、傭兵の山札から傭兵1枚を獲得する。


1ターン中に浮浪児1枚とアタックカードを打ったとき、浮浪児を廃棄して傭兵(0*)を獲得することができます。この浮浪児の廃棄と傭兵の獲得は強制でなく任意であり、その選択は2枚目のアタックカードを打った瞬間であり、その2枚目のカードの処理をするより前に決める必要があります。

ではこの選択を忘れ、2枚目のアタックカードの処理を始めてしまったらどうなるか。

個人的にはドミニオンというゲーム中に起こるある程度の「待った」は許容するべきだと思いますが、これが大会のような場で、かつそのアタックカードの処理によってそのプレイヤーに「本来知り得ないはずの情報が与えられた」場合は「待った」を認められないとしても仕方ない気がします。浮浪児を傭兵に変えるべきか銅貨の判断材料が増えてから決断した、と言えなくもないからです。


さて、他のプレイヤーが浮浪児の後何らかのアタックカードを打ってその処理をしたあと浮浪児を廃棄して傭兵を獲得しようとしたとき、あなたはそれが不正である旨を訴え、浮浪児の廃棄と傭兵の獲得を取りやめさせることができます。これをアーチンキルと呼ぶそうです。


アーチンキルそのものは単なるルール上の不正の指摘であるわけですが、そもそも浮浪児(アーチン)の処理自体がとても間違いやすく、このような不正な処理が発生しやすいことが問題であるわけです。


通常このゲームでアクションカードを打ったとき、まず行うべきは(リアクションを除けば)「そのカードに書かれた処理を上から順に行う」ことであります。しかしその前に浮浪児が打たれていた場合に限り、先にその浮浪児の廃棄と傭兵の獲得をするかの選択をするわけで、後から出したアタックカードの処理は待たされます。いま打ったカードの処理がすぐにできないなんて(!)。


そしてさらにややこしいのは、このアタックカードも浮浪児だったとき、つまり1ターン中に浮浪児を2枚打ったとき。先日の日本選手権でも実際にあった話だそうですが、アーチンキルを指摘してジャッジを呼びこのプレイが不正であることを主張したところ、「上に書いてある+1ドローが先です。カードは上から順に処理して下さい。」と裁定されてしまったそうです(それが勘違いであることはすぐにジャッジ自身にも理解してもらえたそうですが)。確かに廃棄に関するテキストは「+1ドロー」より下、横線の下部に書いてあるので誤解しやすいかもしれません。「1枚目の下部と2枚目の上部とではどちらを先に処理すべきか」と考えれば理解も早いかと思いますが。


ともかく、浮浪児の下部の処理はその後に出したカードの処理に割り込んで行われるという、ドミニオンのルールの中でも例外的扱いをされるという事、どうか覚えておいて下さい。