デッキを司教(4)4枚と城塞(4)4枚の8枚だけにしてしまうとどうなるか。
毎ターン城塞→司教で城塞廃棄して3VP獲得(城塞は手札に戻る)→城塞→司教で城塞廃棄・・・と繰り返し、最後は司教での城塞廃棄2連続で終われば結果4回の廃棄、12VPをトークンで獲得することができます。
ならば5枚ずつなら15VP、6枚ずつなら18VPもらえるか、と考えてしまいがちですが、手札すべてが司教となってしまうと続かなくなるため、確実に毎ターンこの作業を続けるには4枚ずつが限界となります。
さて、ではこのデッキを2人のプレイヤーが作ったらどうなるでしょうか。
余計なカードを買うことがないため、ただその2人は毎ターン12VPを稼ぎ続けるだけの、いわゆる千日手になってしまいます。3人以上でプレイしているときも、他のプレイヤーは属州に走ってもおそらくは追いつけないでしょうから、敗戦を覚悟で属州を枯らしに行かない限りゲームは終わらず、膠着状態となるでしょう。
もし千日手をしている2人の間にある程度点差があるならば、勝っている方が3山を枯らしに行くこともあり得ます。司教4回の使用で4金は出ているのでコスト4以下のカードなら買う事が出来ます。もしサプライにコスト4以下のキャントリップがあれば、手札に来たときそれを優先して使うことで実質的にデッキに入っていないことになり、このコンボを邪魔しません。もしこのようなキャントリップが2種類あればそれと城塞を、1種類しかなくても城塞と司教を枯らすことでゲームを終わらせることができるでしょう。負けている側もこのことを理解しているなら、多少危険でも5枚目の司教と城塞を入れるなどして逆転を狙いにいくでしょう。リスクとリターンを天秤にかけてプレイを変えるため、千日手は崩れます。
そしていつか逆転が起きたとき(あるいは起きそうなとき)、今度は先ほどまで勝っていた側も同じく5枚目の司教と城塞を投入するでしょう。その後は、互いにあるターンでは15VPを獲得し、あるターンでは不幸にも途中で手札が司教だけとなってそれより少ないVPを獲得するにとどまります。
毎ターン同じ結果が繰り返すことはなくなりますが、しかし大きく見ればプレイに変化はありません。ただ獲得する得点にブレが生じただけです。これもまたある種の千日手と言えるでしょう。シーソーゲームを繰り返すだけでゲームが終わらない事に変わりはありません。
ある程度の点差が付いたところで勝っている方が3山を枯らしに行くべきでしょうが、その「ある程度の点差が付く」ようになる保証はどこにもありません。特にプレイヤーが慎重なあまりにその「ある程度の点差」を大きく見積もっていたらと考えると。
このようなとき、あるいは上のようなキャントリップがサプライになかったときどうなるか。ドミニオンというゲームに千日手が起きた際の規定がない以上、裁定のしようがありません。「終わらないゲーム」となるだけです。
ありえない話でないだけに、公式にアナウンスが欲しいところです。とりあえずは協議の上無効試合とすべきでしょうが。
(8/31追記:司教と城塞を5枚入れても、城塞4枚を廃棄したところで手札は1枚、なので5回目の司教を打てたとしても手札0枚なので5枚目の城塞を廃棄することはありえず、最大でも13VPしか獲得できませんね。失礼しました。)