ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

Landmarkによるゲーム収束の鈍化について

かつて司教(4)と城塞(4)からなる、毎ターンVPトークンを獲得し続けるデッキ、いわゆるゴールデンデッキとそれによる千日手問題について書きました(http://d.hatena.ne.jp/hirotashi-domi/20120830)。繁栄以前の、勝利点カードを買い集めることで得点を得るというゲームだったドミニオンが、それ以外の勝利に近づく方法であるVPトークンが生まれたことによるジレンマです。
ドミニオンは属州か植民地が枯れる、または3山切れによってゲームが終了しますが、いずれにせよサプライからカードを獲得することでそのゲーム終了に向かいます。司教と城塞からなるゴールデンデッキは完成してしまえばそれ以降カードを買わないため、双方がそのデッキを完成させるとゲームが終了しないのです。たとえ点差がつき、それ以降もう逆転できる術がないとしても。*1

さて、帝国でLandmarkが導入されました。こちらもVPトークンやそれ以外の勝利点の獲得または失点について定義しているものですが、ではこれによって新たな問題が発生しないのか。考えてみます。


Tomb
Landmark

あなたがカードを廃棄するたびに、+1VP。

カードを廃棄する度に1点ということは、思いつくのはやはり廃棄してもできないカード、城塞です。上のゴールデンデッキで得られる点数が増えるだけでなく、司教がなくともただ廃棄ができるだけでゴールデンデッキは完成してしまいます。


採集者(3)を4回打って、城塞を4回廃棄すれば毎ターン4点です。

・・・

こちらはネズミ(4)の枚数に気を遣う必要はありません。ネズミを打って手札に城塞がなければ手札を公開するだけです。
極端な話、デッキが城塞1枚とネズミ20枚であるとき、ターンの開始時に城塞が手札にあれば20点、そうでなければなるべく早く城塞を引いてくるのを願いつつネズミを打ち続け、最低でも5点を獲得できます。


Wall
Landmark


得点計算時、あなたの持つカードのうち15枚を除き、1枚につき-1点

二人戦で、buyを増やす手段も廃棄するカードもないゲーム。先手はデッキの状態がよく属州を買うだけの金量が出せ、後手はそれが無理という状況で、公領と屋敷は既に枯れ、属州は残り1枚、後手が5点リードしているとします。
先手は最後の属州を買ってしまうと同点手番差で負けるため、8金が出ても属州を買うことはできません。それ以外のカードは買うと-1点となり、6点差がついてしまえばもう逆転の目がなくなるため、もうどのカードも買うことができません。
一方後手はその状況が分かっているため、自身が最後の属州を買うことができないとしてもゲームに負けることはないため、こちらもカードを買う意思がありません。うっかり何かを買ってしまうと次のターンで先手に属州を買われて負けてしまうからです。
双方にカードを買う意思がなく、ただただパスが続くだけのゲームは永遠に終わることはありません。ゴールデンデッキ同士の対戦と同じく、こちらも千日手と言えるでしょう。

*1:余談ですが、goko長期リーグではこの千日手を避けるため、第50ターン終了時にゲームは終了するとしています。