ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

偵察員がいかに弱いかという話


偵察員(4)の次のターンの手札を良くするという効果がどれだけのものか、検証してみようと思います。
山から引いた4枚に勝利点カードが多ければ多いほど得なわけですが、多くなりやすい=山に含まれる勝利点カードの割合が高いということなので、「偵察員を使ったことによって引けるカード」にもやはり勝利点カードは多くなりやすい、というジレンマがあります。
実際計算してみると、山札の中の勝利点カードの割合をr(初期値0.7)とすると、

  • 偵察員の効果で引いた勝利点カードの枚数:4r枚
  • 山に戻すカードの枚数:4-4r枚
  • 次のターンの手札のうち、先ほど山に戻したもの以外のカード:5-(4-4r)枚
  • そのうちの勝利点カードの枚数:(5-(4-4r))r枚

一方、偵察員を使用しなかったときの次のターンの手札にある勝利点カードは5r枚だから、その差は、

5r-(5-(4-4r))r = -4((r-0.5)^2-0.25)
r=0.5のとき最大値1をとる

つまり「山札の半分が勝利点カードであるときに最も効果的で、そのとき手札に加わる勝利点でないカードは、偵察員を使わなかったときに比べて1枚多い」ということが分かったわけです。
そう。最も効果的に使える状況(おそらくは庭園プレイ時でしょう)だとしても1枚ですよ。しかも庭園プレイ時に4金あったら庭園(4)や、なくても木こり(3)などの+買い物を増やすカードを優先して買うでしょうからどうあっても役に立つとは言いにくいですよね。
通常のプレイ時なら勝利点カードなんて2割足らず程度でしょうからほぼ無意味なカードになってしまいます。さらに言うなら、偵察員は+1アクションがあるものの、重ねて使えば使うほど効果が弱くなるんですよね。