去る5/5、ドナルドがDominion Strategy Forumにあるスレッドを立てました。その内容は「異郷の次の版から交易人(4)のリアクション効果のテキストを変更したい」というものでした。
forum.dominionstrategy.com
現状のテキスト(原文)
When you would gain a card, you may reveal this from your hand, to instead gain a Silver.
あなたがカードを獲得しようとするとき、このカードを手札から公開し、代わりに銀貨を獲得してもよい。
新テキスト案:
When you gain a card, you may reveal this from your hand, to exchange the card for a Silver.
あなたがカードを獲得したとき、このカードを手札から公開し、そのカードを銀貨と交換してもよい。
新交易人(と便宜上呼ぶ)は、カードの獲得後に交換するため、そのカードの獲得時効果も得られる点で現交易人(と呼ぶ)と異なります。
以前に議論された「鉄工所(4)でアクション/財宝/勝利点カードを獲得し、それに対し交易人でリアクションしたとき、+1アクション/+1金/+1カードは得られるか?」という問題に対する答えは、(所謂Blue dogルールにより)現交易人では「何も得られない」でしたが、これが新交易人では「銀貨と交換後、それぞれ得られる」こととなります。
また、この交換によって銀貨を得ることは「獲得」に当たりません。これによって何が変わるかと言うと・・・
- 現交易人では可能な「リアクションでの銀貨獲得に対しまたリアクションする」という無限の操作が不可になる
- リアクションで得た銀貨に対し、望楼(3)を公開することが出来なくなる
- リアクションで得た銀貨に対し、取り替え子(3)と交換することができなくなる
- 征服(6)で得られるVPトークンの数に影響しなくなる
- Gatekeeper(5)のアタック効果を受けていて、Exileマット上に銀貨がないときに、何らかのカードの獲得にリアクションした場合、得た銀貨をExileマット上に置かなくて済む
- サプライの銀貨の山が枯れているときはリアクションしても「交換」できないため、元のカードを獲得しなくてはならなくなる
と言ったものが考えられます。
特に最後の項ですが、これまで現交易人を利用することで実現していた以下のような無限プレイは、新交易人では不可能になります。
無限プレイ①:
橋(4)や石切場(4)などでコストが0になった公共広場(5)を購入し、これに現交易人を公開すれば、公共広場の代わりに銀貨を獲得する。金量もbuyも減らず、サプライの公共広場も減らない。これを銀貨が枯れるまで繰り返したあと、さらにもう一度同じことを行うと、銀貨を獲得しようとしても何も獲得しないため、何の変化も起こさないまま無限にこの操作を繰り返すことができる。
このとき場にならず者(6)があれば無限個のVPトークンを、商人ギルド(5)があれば無限個のコイントークンを得られる。
無限プレイ②:
司祭(4)をプレイして2金を得て、移動遊園地(2)を購入、その後に施し(0)購入で手札の城塞(4)廃棄(司祭で+2金)→何らかのアクションカードを獲得→現交易人をリアクションして銀貨を獲得する。
金量は2金減って2金増えるため増減なし、buyも2増えて2減るためこちらも増減なし。これも①と同じく、銀貨が枯れた後も無限に操作を繰り返すことができる。
このとき墓標があれば無限VPを、あるいは司祭を2回プレイしていれば無限金量を得られる。特に後者は移動遊園地により同時に無限buyをも。
いずれも、銀貨が枯れたあとは銀貨に「交換」できなくなるため、無限に繰り返すことはできなくなります。それでもサプライの銀貨が枯れるまでは繰り返せる「半無限プレイ」ではありますが、ゲームが終わらなくなるという事態だけは避けられますね。
なお、この変更により、新たな半無限プレイも考案されたようです。
新交易人による半無限プレイ:
デッキを引き切った状態で、コストが2にまで値下げされたCavalry(4)を購入し、新交易人で銀貨と交換する。獲得時効果でその銀貨を手札に引き、これをプレイして再びCavalryを購入し、また銀貨と交換。これを銀貨の山が枯れるまで繰り返す。
一方獲得するカードの数については、現交易人では元のカードは獲得せずに銀貨を獲得・新交易人では元のカードを獲得して銀貨を獲得しないため、どちらでも変わりません。
つまりどちらでもSheepdog(3)はリアクション可能であり、凱旋(5d)で得られるVPトークンに影響はせず、左隣のプレイヤーが次にプレイするトレジャーハンター(3*)での銀貨の枚数も変わらない、ということになります。
さて、この新交易人の適用ですが、現状はあくまで予定であるため、すぐにこのルールに変更するべきというわけではないようです。少なくとも次の異郷の版が出るまでは。