異郷では交易人(4)というリアクションが存在するわけですが、処理のタイミングは「獲得したとき」ではなく「獲得しようとしたとき」です。獲得そのものは行わず、その処理の代わりに銀貨を獲得する、ということになっています。
交易人
アクション-リアクション コスト4
手札を1枚廃棄する。
そのコストと同じ枚数の銀貨を獲得する。
−−−
あなたがカードを獲得したとき、このカードを手札から公開してもよい。
そうした場合、そのカードの代わりに銀貨を獲得する。
元となる獲得そのものは行わないため、獲得時効果もまたキャンセルされます。一方購入したカードに対してリアクションしたとき、その購入時効果は受けられるとマニュアルに明記してあります。
つまり「購入しようとしたとき」とは(c)の寸前、(b)と(c)の間のタイミングであるというわけですね。なので(b)の処理は行われ、(c)と(d)はキャンセルされる、と。
(a)「購入」 (買うカードの宣言)
(b)購入時効果
(c)「獲得」 (カードの受け取り)
(d)獲得時効果
では問題。
鉄工所(4)の効果で大広間(3)獲得しようとしたとき、手札から交易人を公開し、代わりに銀貨を獲得した。このとき得る効果は、+1アクションと+1カードか?あるいは+1金か?
鉄工所で獲得することそのものが取り消されているので、答えは「何もなし」です。(http://boardgamegeek.com/article/7742414#7742414)
そして元の獲得そのものがキャンセルされるわけですから、銀貨の獲得元も行き先も通常通り「サプライから捨て札へ」となります。他家に打たれた拷問人(5)や海の妖婆(4)に対してリアクションしても、銀貨が手札や山札の上に行くわけではなく、ただ通常通り捨て札に入ることになります。
そしてキャンセルされた「獲得するはずだったカード」は元の位置に戻ります。これが意味を持つのは泥棒(4)*1での獲得時くらいでしょうか。
他のプレイヤーは全員、自分の山札の上から2枚のカードを公開する。
財宝カードを公開した場合、その中の1枚をあなたが選んで廃棄する。
あなたはここで廃棄したカードのうち好きな枚数を獲得できる。
他の公開したカードはすべて捨て札にする。
初めて泥棒のテキストを読んだとき「ああ要するに選んだ財宝カードをもらうか廃棄するか選べるのね」と解釈してたんですが、厳密には「選んだ財宝カードを廃棄し、望むならそれを獲得できる」です。つまり何が違うのかと言うと・・・
泥棒の効果で銀貨を獲得しようとしたとき、手札から交易人を公開した。このときサプライの銀貨は減るか?
通常であれば銀貨は廃棄置き場から拾ってくるわけですが、交易人のリアクション効果により「廃棄置き場から拾ってくる」をキャンセルし、サプライから銀貨を獲得します。よってサプライの銀貨は1枚減ることになります。
泥棒のテキストが回りくどい記述になっていたのは、ひょっとしたらこの為だったのかも知れません。もし「もらうか廃棄する」だったら、交易人でキャンセル時その財宝カードは盗まれないということになりますので。
*1:または義賊(4)