Star chart+ドローカードで確定される未来


今回の拡張でStar chart(3)が発表される以前、ちょうどこのブログの下書きに「鍛冶屋の皮肉」というタイトルの記事を書いて保存していました。鍛冶屋(4)というカードはドミニオンの序盤において大変罪作りなカードだな、という内容のものでした。
ドミニオンにおける多くのゲームでは、初手で2枚のカードを買ってデッキ12枚をシャッフルし、その後も1ターンに1枚のカードを買うことでデッキ内のカード枚数はおおむね1枚ずつ増えていきます。その初手が鍛冶屋-銀貨だとして、第3ターン開始前に12枚をシャッフルしたとき、その鍛冶屋の位置によってその後の展開は大きく変わります。
上から1〜5枚に鍛冶屋があるとき、つまり第3ターンに鍛冶屋をプレイできたなら、6〜8枚目を引くことでそこそこの金量を出し、多くの場合コスト5か6の強いカードを買うことができるわけですが、それだけでなく山札の残りが9〜12枚目の4枚だけになることが重要です。第4ターンの開始前に、いま引いた1〜8枚目と購入した「強いカード」を合わせた9枚をシャッフルして山札の下に置くことになり、合わせて13枚のうち下から9枚(上から5〜13枚目)には鍛冶屋とその「強いカード」を含みます。もし上から5〜10枚目の中に鍛冶屋が来れば第4〜5ターン目にプレイできるため、第6ターンは下からちょうど5枚を手札とし、鍛冶屋を2回・「強いカード」を1回プレイしてデッキ3周目を終えることができます。4周目の開始は第7ターン。
一方、デッキ2周目の上から6〜10枚目に鍛冶屋があるとき、つまり第4ターンに鍛冶屋を打つときは、残り2枚の山札から3枚引くことになり、ここでリシャッフルが入ります。第3ターンに手札5枚で買った「そこそこのカード」を含んだ6枚をシャッフルしてそのうちの1枚を引き、やはり「強いカード」を買って第4ターンを終えます。第5ターンは残り山札5枚をちょうど引いて手札とし、デッキ15枚をシャッフルして第6ターンが始まります。上と比べると、鍛冶屋や「強いカード」のプレイ回数はちょうどデッキ半周ほどの差がつくことがわかります。
なお、最初の鍛冶屋の位置が11〜12枚目だったときの弱さは、山札の残り枚数を考えるとわかります。第5ターンにようやく鍛冶屋をプレイしても、9枚の山札から3枚引き、ここではじめて「強いカード」が買えたとして、プレイできるのは早くて第7ターン以降です。

特に、第4ターンにプレイしたときにいつも、どうして山札が残り2枚なんだろうと思ってしまうのが自分だけでしょうか。もし残り3枚あれば、いま買ったカードも鍛冶屋も次のシャッフルに持ち込めるため、運が良ければ第5ターンにそれらを手にすることもできるわけです。しかし山札は2枚。その枚数は鍛冶屋を打つプレイヤーにとって、実に皮肉だな、と。

だいたいそんな内容で書いていたわけですが、さて、このStar Chartの登場ですべてがひっくり返りました。もうこんなことに悩まなくてよくなったのです。

初手鍛冶屋-Star Chartで入った場合、デッキ11枚をシャッフルするときに鍛冶屋だけ上に置き、第3ターンに打てば上から8枚目までを引くため、残り3枚の山札を見てシャッフル、当然また鍛冶屋を上に置き・・・と繰り返せば、第3から第5ターンまで、3ターン連続で鍛冶屋をプレイできます。その後はほぼ2ターンに1度、つまり第7・9・11・・・ターン目となります。

デッキの回転を促進するドローカードはStar Chartと相性が良く、そのドロー枚数が多いほど、またデッキ枚数を減らすほどその良さは増していきます。
例えば仮面舞踏会(3)ならどうなるでしょうか。初手仮面舞踏会-Star Chartで、デッキ11枚から第3ターンに仮面舞踏会を打つと、1枚ずつ廃棄と購入を繰り返せばデッキ枚数は変わらず、結果廃棄を続ける限りは本当に毎ターン仮面舞踏会を打てます。打てなくなるのは廃棄しなかったターンの、その次の次のターンです。
ドローでなくともデッキを「掘る」タイプのカードであれば同じことが言えます。例えば見張り(3)はデッキを2枚掘るカードで、かつ1枚を廃棄するため、初手見張り-Star Chartから毎ターン見張りを打つことは可能です。それがどの程度強いかは疑問ですが。


さらに大使館(5)-Star Chart(パン屋場)は。3ターン目で6金が確定。ここで金貨を買えば4ターン目では9/11の確率で8金が出ますし、その後のターンでも、5ドローして金貨が引けてかつ緑を4枚以上引かなければ8金が出ます。



また、2枚ドローしつつ他のプレイヤーに異物を配れるアタックカードである、魔女(5)や狂信者(5)はどうでしょうか。パン屋場などで初手魔女-Star Chartと買った時、そのうち毎ターン打てるというわけにはいかなくなりますし、他のプレイヤーも同じことをすれば自分も呪いを受け取ってしまいますが、問題はその速度です。

https://twitter.com/mmhiyoko/status/1047845492980211713

https://twitter.com/mmhiyoko/status/1047861996136230913


4人戦で全員が毎ターン魔女を山札の上に置くことを繰り返すとき、4番手は第3ターンの自分の手番が来るまでに呪いを3枚受け取るため、ターン終了時のデッキ枚数は15枚ですが、1番手はターン終了時に12枚となります。つまり全員の第3ターンが終了した時点での各プレイヤーのデッキ状態は、

1番手:手札5枚(うち1枚は魔女)・山札7枚(うち呪い0枚)・捨て札に呪いが3枚
2番手:手札5枚(うち1枚は魔女)・山札8枚(うち呪い1枚)・捨て札に呪いが2枚
3番手:手札5枚(うち1枚は魔女)・山札9枚(うち呪い2枚)・捨て札に呪いが1枚
4番手:手札5枚(うち1枚は魔女)・山札10枚(うち呪い3枚)・捨て札0枚

となり、山札の内容に大きな差が生じてしまいます。
もちろんここから全員が魔女を打ち、計8回打たれたあと、残り2回の呪い配りを行うのは1番手と2番手になるわけですから、呪いは結局7/7/8/8枚と分かれることが確定します。さすがにどうなんでしょうかこの格差は。