ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

Catapultのジレンマ


Catapult
+1金
手札を1枚廃棄する。そのコストが3以上であったとき、他のプレイヤーは呪いを獲得する。そのカードが財宝であれば、他のプレイヤーは手札が3枚になるまで捨て札する。

このCatapult(3)というカード、非常に悩ましいんです。
手札を1枚廃棄しつつ1金しか出ないということは、残り3枚で3金を出せても計4金にしかならないということ。しかもアタックしたいなら銅貨を廃棄したいのですが、そうするといよいよお金が出ません。
問題はCatapultルートが自分以外にもいる場合。互いに打てば、他のルートを進むプレイヤーはハンデスは食らっても銀貨のお陰で4〜5金を出せるものの、Catapultルートのプレイヤーはその3枚の手札からCatapultを打って銅貨を廃棄すれば3金すら出ません。そもそも改築(4)などの手札を廃棄するカードはハンデスに弱いわけですが、このCatapult自身がその手札を廃棄するカードでもあり、同時にハンデスでもあるのです。
振り返ってみれば、似たカードに傭兵(0*)がありました。手札2枚を廃棄する効果と手札を3枚にさせるハンデスを併せ持つあのカードもやはり、二人が互いに打ち合うとその双方が苦しくなってしまいます。例えば傭兵と強いカード2枚・弱いカード2枚を持つとき、相手に傭兵を打たれればその強いカード2枚を捨てざるを得ません。
Catapultのもうひとつのアタック効果である、コスト3以上のカードを廃棄したときの呪い撒きについてですが、しかし手札3枚の状態からそれをやったとして、3金がなかなか出ない以上、そのコスト3のカードをそのターンに買い戻すことができません。つまり他家に呪いを撒くのはいいとして、自身もその貴重なコスト3のカードを廃棄してしまい、そして失うばかりで何も買えないとなると、まるで自分にアタックをしているような気にもなります。せめて「銀貨を廃棄しつつ銀貨を買い戻す」ことができればまだいいのですが、しかしそれでもデッキは全く成長していません。
さて、Catapultがその真価を発揮するのはRocks(4)を獲得・廃棄できるようになってからだと思いますが、しかしCatapult5枚を何人が協力して枯らしてくれるのでしょうか。3金すら出にくいゲームでせっせとCatapultの購入に手番を費やす一方で、もう一人のCatapult打ちは無理せずに銀貨なんかを買い足していたとしたら。こっちがCatapultでCatapultを廃棄することもいとわずに苦労してRocksが顔を出したところで、銀貨を入れて3枚でも4金を出しやすくしている相手が淡々とそのRocksを買い足す様は決して愉快な光景ではありません。
Catapultに限った話ではありませんが、split pileにおける上5枚を枯らす作業はどうしても「お仕事」に見えてしまいます。誰かがそのお仕事を完了させるのを待ってからその下5枚のお宝を横取りするのがお得に思えてしまい、それが浸透するともう誰もそのお仕事を引き受けてくれなくなる、という印象です。