ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

その日暮らしのCapital

Capital
財宝 コスト5

+6金
+1購入

このカードを場から捨てるとき、6Debtを獲得する。その後Debtをすぐ返済してもよい。


6金出して6debtを負うということは、つまり6金まで前借りできるということですね。目当てのカードを買うのに足りない分をCapitalから6金まで借り、以降のターンで返済することになります。ギルドでのコイントークンのちょうど逆にあたるわけですが、数ターンをかけて合わせて目当ての金量を出すという意味では似た働きです。

何度か回してみてわかったことですが、これはいわゆるビッグマネー(お金戦術)における銀貨・金貨のような「お金を買うためのお金」ではなく、属州購入専用の財宝カードですね。実際にこれで金貨を買っても負債(debt)を負うため、その後の返済ターンや中途半端な金量が出たターンでは何もできず、下手すると銀貨の方がマシだという結果になりがちです。Capital戦ではデッキを育てるという概念はいったん忘れ、それよりCapitalで無理やり8金に届かせて属州を買い、負債はそれ以降の数ターンで返済すればいいという、その日暮らしのようなプレイをする方が早くなります。最後の属州を買ってゲームを終わらせたときに持つdebtは「踏み倒し」できますし。
実際、初手Capital-パスで入り、Capitalを打って8金出れば属州を買うだけのプレイでも、属州4枚まで15.1Tとそこそこの速度が出ます。このプレイでは、Capitalを持つターンでは買えるなら属州を買い(たとえそれが2周目でも!)、それ以外のターンのほとんどはdebtの返済しかしていません。たまに銀貨を1〜2枚買うターンもありますが、いいタイミングで(debtを持っていないターンで)Capitalを引くことで、つまりデッキ1周に1回属州を購入できます。


問題は、debtが返済できていないときにCapitalを引いても8金が出づらいということです。Capitalの金量でdebtを返済しても同じ分だけまたdebtを負うため意味がありません。debtを持つときのCapitalは実質0金の、銅貨よりも価値が低いカードです。そのためデッキに入れるCapitalは通常1枚だけの方がよく、それでもシャッフルの前後のターンで連続してその1枚のCapitalを引くと大変もったいないことになってしまいます。デッキの中に1枚だけあるCapitalを打ったときだけが8金を出すチャンスなので、それを無駄にすることはデッキ1周分の無駄ということになります。
逆に言えば「debtを持っているときに引いたCapitalを無駄にしない」ことができればそれだけでかなり平均速度を上げることができます。例えば中庭(2)や停泊所(2)、道具(3)は手札に引いてしまった「もうちょっと後に引きたかったCapital」を次のターンに送ることができます。


さて、デッキの中の財宝カードを、銅貨7枚とCapital1枚と想定して回してみます。デッキの実質総金量は7金ですから、1周ごとにCapitalを打ったターンで属州を買うことを考えると、差し引きマイナス1金、つまり1周あたり平均1debtを負うこととなります。シャッフルごとにデッキの同じ位置でCapitalを引くと想定すれば、いつかはdebtを持ったままCapitalを引くこととなり、「Capitalを持ってるのに8金出ないターン」が生じてしまいます。そのためたとえ銅貨を買ってでもデッキ内金量を8金以上にして、Capitalで属州が買える可能性を高めるべきでしょう。
(運さえよければ銅貨7枚とCapital1枚のデッキでも、2周目ではデッキの上の方でCapitalを引き、以降1周ごとに徐々に引く位置が下の方にずれていくというシャッフルにさえなれば、つまりCapitalと次のCapitalの間に銅貨8枚が挟まるのであれば、返済後すぐにまた8金を出すことを繰り返すことになります。理想的な回りなら10ターンで属州4枚買うことも。)


これまでのドミニオンとは金量の考え方がまったく異なるカード、Capital。ここまで読んでもなんだかわからないという方も、一度一人回ししてみるとピンと来ると思います。問答無用の6金が弱いわけありませんよね。