ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

Inheritance ルールまとめ


Inheritance

Event コスト7

1ゲームに1度のみ、勝利点でないコスト4までのアクションカードをサプライから取ってわきに置き、その上にあなたの「屋敷トークン」を置く。
あなたの屋敷はこのカードの効果とタイプを持つ。


ドミニオンの新拡張で、支配(6ポ)をも超えるルールのややこしさを持つカードが登場してしまいました。

屋敷が勝利点でありながら他のカードの効果とタイプを持つことになります。これは同じくそのカードに書かれていない性質を持つはみだし者(5)に近いようにも思えますが、実際にはさまざまな点で異なります。

  • はみ出し者はサプライから枯れたカードの効果を得られないのに対し、屋敷は屋敷トークンを乗せるためのカードを先に確保してわきに置く。
  • はみ出し者はプレイする度に効果を得るカードを選べるが、屋敷は屋敷トークンを乗せたカードの効果を毎回得る。
  • はみ出し者は自身よりコストの低いアクションカードの効果を得られるが、屋敷はInheritance購入時にわきに置いたコスト4以下のアクションカードの効果を得る。

さて、Inheritanceを購入した際の屋敷の扱いですが、効果だけでなくタイプをも持つこととなります。つまり大広間(3)や島(4)のように「アクション-勝利点」という扱いとなり、もし対象となるカードがアタックカードであれば屋敷もアタックに、リアクション・持続・略奪者・騎士であればそれらも持つこととなります(略奪者であることは意味がありませんが)。

その効果とはそのカードに書かれた効果すべてであり、リアクション・持続・獲得時効果・購入時効果・廃棄時効果もすべて持ちます。

例:

  • 屋敷トークンが遊牧民の野営地(4)の上に置かれているとき、屋敷を獲得したら山札の上に置かれる。
  • 屋敷トークンが造幣所(5)の上に置かれているとき、屋敷を購入したら場の財宝カードをすべて廃棄する。
  • 屋敷トークンが従者(2)の上に置かれているとき、屋敷を廃棄したらアタックカードを獲得する。


(以下、Inheritance購入後の屋敷を「アクション屋敷」と呼ぶ。特にアクションカードXの上に屋敷トークンを置いているときの屋敷を「X屋敷」と呼ぶ。)

屋敷がアクションであることで起こること:

  • 書庫(5)をプレイしたとき、山札からめくられるアクション屋敷をわきに置いてもよい。
  • 貧民街(3)をプレイしたとき、公開した手札にアクション屋敷があった場合、2ドローできない。
  • 貢物(5)をプレイして左隣のプレイヤーの山札からアクション屋敷がめくれたとき、+2アクション・+2カードを得る。
  • 宿屋(5)獲得時、捨て札の中のアクション屋敷を山札に入れてシャッフルできる。
  • 念視の泉(2ポ)、ゴーレム(4ポ)、農村(4)、金物商(4)、吟遊詩人(4)、伝令官(4)プレイ時に山札からめくれたアクション屋敷はアクションカードとして扱う。

一方、Inheritance購入後でも屋敷は名前は変わらず、またコストも変わりません。

屋敷の名前が変わらないことで起こること:

  • 宝の地図(4)をプレイしたとき、手札に宝の地図屋敷があっても廃棄できない。(廃棄できるのは宝の地図のみ)
  • 宝の地図屋敷をプレイしたとき、手札に宝の地図があれば廃棄できるが、金貨4枚は獲得できない。(宝の地図2枚を廃棄することで獲得できるため)
  • 岐路屋敷をプレイしたとき、+3アクションは獲得できない。(「これが、このターン最初に使用した岐路の場合」という条件のため)
  • ネズミ(4)をプレイしたとき、手札のネズミ屋敷を廃棄できる。(「ネズミ以外のカード」に屋敷も含まれるため)
  • ネズミをプレイしたとき、獲得するのは屋敷でなく(本物の)ネズミの方。Magpie(4)で獲得するMagpieも本物の方。
  • 狂信者(5)をプレイしたとき、手札の狂信者屋敷はプレイできない。(追加でプレイできるのは狂信者のみ)
  • 願いの井戸(3)、秘術師(5)、建て直し(5)、医者(3+)、熟練工(5)でカードの名前を指定するとき、屋敷はあくまで屋敷と宣言する必要がある。

コストが変わらないことで起こること:

  • はみだし者屋敷をプレイしたとき、指定できるのは屋敷よりコストの低いアクションカードのみ。つまり通常は救貧院(1)か廃墟くらい。
  • 行進(4)で屋敷を廃棄したとき、獲得できるのは屋敷よりコストが1高いアクションカード。つまり通常はコスト3のカード。
  • 屋敷トークンを国境の村の上に置いたとき、屋敷を獲得したとき、屋敷よりコストが低いカードを獲得する。
  • 地下墓所屋敷を廃棄したとき、獲得できるのは屋敷よりコストの低いカード。
  • 屋敷トークンがどのカードの上に乗っていたとしても、その屋敷はコスト2であるため、騎士や盗賊で廃棄されない。


屋敷が効果・タイプを持つのは"自分のもの"であるときのみであるため、サプライにある屋敷、他のプレイヤーの持つ屋敷、廃棄置き場の屋敷は効果・タイプを持ちません。

サプライの屋敷が効果・タイプを持たないことで起こること:

  • 鉄工所(4)で屋敷を獲得しても、+1アクションは得られず、+1カードのみ。

(上は誤りだったようです。+1カード・+1アクションが得られます。)

  • 大学(2ポ)で屋敷を獲得できない。
  • 石切場(4)で屋敷は値下げされない。
  • 屋敷トークンが公爵夫人(2)の上にあったとしても、公領を獲得したときに屋敷は獲得できない。もちろん公爵夫人は獲得する。
  • はみだし者(5)で屋敷を指定できない。
  • 石工(2+)を2金過払いして購入しても、屋敷を獲得できない。


さて、マニュアルには書いていませんが、ゲーム終了後も屋敷はまだアクションカードであると扱うようです。ブドウ園(0ポ)の点数に影響しますので。

They are Victory-Action cards for the rest of the game, so yes they count for Vineyard.
http://forum.dominionstrategy.com/index.php?topic=12906.msg479373#msg479373


(追記:その後のルール改定(2019ルール)により、屋敷はカードタイプ「アクション」が増えるのみとなり、また購入時・獲得時・廃棄時効果も得られなくなりました。上記についてはルール改定前の考察となります。ご注意ください。)